難病の子どもと家族をみんなで支える地域拠点くるみの取り組み

こんにちは。「難病の子どもと家族を支えるプログラム」活動報告ページへようこそ。
国内事業開発チーム 難病の子どもと家族を支えるプログラムチームです。
今回は社会福祉法人くるみの取り組みをご紹介します。

出会いと遊び、交流の場を

陽射しがたっぷり降り注ぐ大きな窓からは、美しい立山連邦や田んぼなど、富山の四季折々の景色が見渡せます。大きなバルコニーは車いすのまま外に出られるようにと作られたもの。この建物には明るく開放的なカフェが併設され、多くの人がくつろいでいます。ここは、富山県高岡市にある児童福祉施設「くるみの森」。障害を持つ子どもたちが毎日訪れています。

子どもは病気や障害を持つ、持たないにかかわらず、多くの人との経験や出会い、子ども同士の遊びや交流をしながら成長します。

元々福祉事業を行っていた代表の岡本久子さんは、富山県西部には障害児専門の福祉施設が少なく、困っている家族の状況をなんとかしたいと、特定非営利活動法人くるみを設立。富山県高岡市の緑豊かな地域で児童発達支援サービスをスタートしました。

その後、在宅介護で社会との接点を持てない子どもと家族に出会いや交流の場を提供し、安心して暮らせる地域の仕組みを作ろうと、放課後等デイサービス、生活介護サービス、家に出向いたり一緒に外出をしたりする居宅介護サービス(行動支援、移動支援)を開始。2018年には日本財団の助成を得て、医療的ケア児の療育をサポートし人びとの交流を深めるカフェを併設した「くるみの森」を建設しました。

地域を巻き込んだイベントや他団体との学習サポート、宿泊体験、人材育成の研修会を開催するなど、地域連携のハブ拠点を目指しています。

写真:遊具で遊ぶ子供たちの様子
いろんな世代のお友だちと木のおもちゃで遊ぶの、楽しいね。

子どもの持つ力を信じる

くるみの森では、理学療法士、看護師、介護士、保育士など、様々な職種のスタッフが子どもたちを出迎えます。「試行錯誤しながら日々の遊びをする中で、手をたたけるようになった、椅子にすわれるようになった、といった成長を感じられるのは嬉しく、やりがいを感じます。担当者だけではなくスタッフみんなで子どもを見守っている点も、お母さんたちからの信頼を得ている理由のようです」と看護師の竹田りえさん。

子どもは親と離れて過ごすことで自立心が促され、自信がつくといいます。買い物を一度もしたことがなかった寝たきりのある男の子は、近所のイーオンに行くという目標を決めて準備を進め、生まれて初めての買い物に行くことができました。無理だと大人が決めてしまわずに、本人が持つ力を信じる。その体験をしてから、男の子は自分のやりたいことの意思表示ができるようになりました。

また、自閉症でこだわりの強いある子が、他の友だちができたことを大人が褒めたのを見て、これまで2、3年かけてゆっくり挑戦してきたことがあっさりできてしまったことも。それを見ていた竹田さんは驚きと共に子どもは子ども同士の交流の中で成長していくのだなと感動したといいます。

写真:遊具で遊ぶ親子の様子
お友だちとの交流が自然な成長を促します。

地域の人との触れ合いが自信に

地域の人たちを巻き込んで開催した木育のイベントでは、幼稚園児をはじめ、一般の人たちを含む280人が参加しました。健常児が障害のある子と一緒におもちゃで遊び、自然に手助けをして頼られるのが誇らしそうな様子も。その後もくるみの森の子どもが近隣の幼稚園のお誕生日会に招待されるなどの交流が続いています。

会場ではヘアカットやハンドマッサージのサービスもあり、マッサージを受けたお母さんには「初めて自分のための時間を持てました。久しぶりの自分へのご褒美です」と喜ばれました。地域の様々な人たちと交流したことで自信がつき、これまでできなかった外出ができるようになった家族もいたといいます。

一方、地域の人には「普段当たり前にしていることが経験できない家族もいる」「みんなで支えていかなくてはならないんだな」ということを知ってもらうきっかけになっています。

写真:イベントでボール入れをして遊んでいる子供たちの様子
イベントでは幼稚園の子どもたちと一緒に遊びました。自然に助けて助けられる、共に楽しく遊ぶ関係が生まれます。

地域と共に幸せに生きていくためのハブ拠点

2018年度は訪問介護士、児童相談員、特別支援学級の教師などを対象とした研修会を二度開催し、100人が参加。その多くが医療的ケア児の対応に不安を抱えており、富山県全域の医療的ケア児を支えるためのつながりの構築、情報共有、人材育成の必要性が明らかになりました。

専門職の人材育成にこれからも力を入れると共に、くるみの森では今後、24時間暮らしを支えるサービス作りも考えています。「福祉や教育、行政、医療だけでなく、企業やまちづくりNPO等とのつながりも構築しています。また、子どもの暮らしを豊かにする意味でも学生やアーティストとのつながりも大切。自分たちも楽しみながら、地域のみなさんを楽しく巻き込む仕掛けを作り、その拠点になれたらと思っています」と代表の岡本さん。

くるみの森はこれからも、全ての子どもたちが共に成長し、地域と関わりながら幸せに生きていける豊かな社会を作るという理念の元、地域連携のハブ拠点として様々な情報発信やネットワークの仕組み作りをしていきます。

写真:遊具で遊ぶ子供たちとスタッフの様子
くるみの森では、みんなが楽しめるイベントを次々に開催しています。

日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラムでは、日本全国に難病の子どもと家族の笑顔を増やしていきます。

難病の子どもと家族を支えるプログラム

社会福祉法人くるみ

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文責 ライター 玉井肇子
日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 中嶋弓子

寄付の状況 2020年4月末現在
1億8,267万4,312円
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