みんなの命が輝く舞台心魂プロジェクトの取り組み

こんにちは。「難病の子どもと家族を支えるプログラム」活動報告ページへようこそ。
国内事業開発チーム 難病の子どもと家族を支えるプログラムチームです。
今回は特定非営利活動法人心魂プロジェクトの取り組みをご紹介します。

心が躍動し、思いがひとつになる

力強く美しい歌声が響き渡ると、天井いっぱいに海の中の世界が映し出されます。そこにウミガメや色鮮やかな熱帯魚が現われ、「わあ!」と歓声があがります。
アップテンポな曲が流れ、演者の声がけに応じて、客席の子どもたちは体いっぱいに歌い、立ち上がって踊り出します。普段はおさえていた感情に火が付きエネルギーが爆発したかのよう。時には笑い、時には心を震わせ、その場にいるみんなの思いがひとつになります。

この歌と踊りと海の映像を融合したステージプログラムを提供しているのは、病児や障がい児など劇場に行くことが難しい子どもたちの元に、プロの演者たちによる本物のパフォーマンスを届ける特定非営利活動法人心魂(こころだま)プロジェクト。病院や特別支援学校を訪れるデリバリーパフォーマンスと、資金を作るための一般公演やワークショップなどを年間で全国100か所近く行っています。

演者たちは、劇団四季出身者を中心としたプロフェッショナル。技術はもちろんのこと、子どもと心から楽しもうという本気の思いを持つ人たちです。

子どもたちは歌声に驚いたように目を見開いたり、パフォーマンスに引き込まれていきます。子どもが最後まで集中して楽しめたことに驚くお母さんや、呼吸器や痰の吸引などのケアで24時間息をつく間もなく、外に出ることもままならない日々の中で、夢のようなひと時に涙を流すお母さんも少なくありません。

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病院に訪問してパフォーマンスを披露。「たくさんの体験を子ども時代にしてほしい」と代表の寺田真実さん(左)

子どもに心で生きることを教わる

「子ども時代に得た体験はその子の人生に大きな影響を与えます。子どもにはたくさんの可能性があるのにもったいない。ぜひ本物のパフォーマンスに触れてほしいんです」と語る代表の寺田真実さん。2014年の団体立ち上げ以来、子どもたちにかけがえのない体験を提供する一方、子どもたちから多くのことを学んだといいます。
「パフォーマーは歌、踊りが上手くて、背が高くて美しい方がいいと思われるかもしれませんが、人の心を感動させるのは人の心。常に命と向き合う子どもたちに響くのは何よりも心なんですね。彼ら自身が心で勝負して、心で生きることを示している人たちなんです。その時その瞬間に真剣に参加する。それこそまさに心で動き、心で感じるということだよなと彼らからずっと教えられています。今を全力で生き、心から感謝してくれる人たちと共に過ごせる。パフォーマーにとってこれほどの幸せはありません」

多くの子どもたちとの出会いがありましたが、天に帰っていった子どもたちはメンバーの心の中に生きていて、大変な時には後押しをし、共にパフォーマンスをしてくれていると感じています。

スタートして7年目の現在は、障害を持つ子どもの中から「自分も誰かに元気を与えたい。パフォーマンスをしたい」という子どもが登場してキッズ団が結成され、大学生になったきょうだい児が活動に参加するなど、新しいステージを迎えています。「きょうだい児は隠れる存在ではないし、我慢をたくさんしたけれど、優しさや感じる心を持っています。ほかの人たちに良い影響をたくさん与える命として、輝いてほしい」と寺田さん。

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時には子どもの傍らにいって歌います。あたたかい照明に包まれて夢のような時間です

お母さん、僕、海に行ったね!

舞台では様々な音響や照明の機材が使われますが、これまでは限られた予算で用意できた機材で、演者がその場の様子を感じとりながら声や動きを微調整していました。音や光に敏感な子どもにこそ高品質なものを使いたいという長年の願いが叶い、2019年度の日本財団の助成で高品質のマイク、音響、照明、プロジェクター機材、さらに新たな楽器や舞台衣装を揃えることができました。

新たに導入したプロジェクターでプロのフリーダイバーが撮影した海の生き物たちの映像を流すなど、海に行けない子どもたちにとっては夢のような世界を作りあげることもできました。終了後には子どもの「お母さん、僕、海にいったね!」という最高の褒め言葉が。

機材導入後には、音が苦手だからとロビーに退避する親子が全くいなかったなど、明らかな効果がでているといいます。

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会場全体にダイナミックに映し出された海の映像に歓声があがります

子どもたちが生きた証を

新型コロナウイルズの影響でこれまで以上に外出することができなくなった家族につながりを感じてもらいたいと、2020年2月からオンライン配信をスタート。音楽を使って世界旅行というプログラムでは、行きたい国を選んでもらってパフォーマンスをするなど、どうすればわくわくと楽しんでもらえるかを常に模索しています。

いま静岡で設置の準備を進めている新しい活動拠点では、障害を持つ子ども自身がパフォーマンスをして、お母さんにはゆっくり休んでもらえる場となりそう。子どもが楽しめるパフォーマンスや好きな活動は障害や個性によって様々ですが、オンラインで世界にそれらを発信し、同じ思いをもつパフォーマーがここに集まる。そうした実験ができる場としても使ってほしいと夢は膨らみます。

「これからの未来に機械化がますます進んでも、やはり心の大切さが叫ばれているのではないでしょうか。世の中にこんなものが増えたら素敵だよねということを増やして、未来への種まきをしていきたい。キッズ団のように、子どもたちが生きた証をみんなが感じられる体験を増やしていけたらと思っています」

100年後の未来があたたかく希望に満ちていることを願いながら、寺田さんは今日も仲間たちと情熱を燃やしてパフォーマンスをしています。

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舞台をみた後の客席にはみんなの笑顔が溢れています

日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラムでは、日本全国に難病の子どもと家族の笑顔を増やしていきます。

難病の子どもと家族を支えるプログラム

特定非営利活動法人心魂プロジェクト

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文責 ライター 玉井肇子
日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 中嶋弓子

寄付の状況 2020年10月末現在
2億672万5,715円
日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。