サッカー本田圭佑選手から図書カードの贈り物ビデオメッセージで激励も
夢に向かって頑張る奨学生を応援しようと、サッカーの本田圭佑選手が「日本財団夢の奨学金」奨学生に図書カードを贈ってくださることになり、その贈呈式が11月15日、東京都・赤坂の日本財団ビルで行われました。2〜5期生の約20人がオンラインも含めて各地から参加し、本田選手のビデオメッセージや関係者のスピーチから、温かい励ましを受けました。
図書カードの贈呈は、本田選手が代表取締役を務めるNowDo株式会社より100万円が寄付され実現しました。新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活が続いていた今春、同社より、夢に向かって頑張っている子どもたちを支援したいとの申し出があったのがきっかけです。
その後、同社の鈴木良介・取締役副社長が6月、2020年度第1回交流会にも参加され、コロナ禍で「実習ができない」「アルバイトができなくて厳しい」といった奨学生の声を持ち帰られました。そして、支援にはさまざまな選択肢がある中で、本田選手が読書家でもあることから、教養を身に付けたり、新しい世界に目を向けたりできる「本」を奨学生に読んでもらえたらというアイディアが生まれ、図書カードを贈ってくださることになりました。
贈呈者として出席した鈴木副社長は冒頭のあいさつで、夢に向かって頑張る子どもたちのサポートをしようと、同社が国内外でサッカースクールを作っていることを紹介。「僕も本田もすごく本から知見を得たり、助けられたりします。いろいろな本を読んでもらって、今後を生きていく糧にしてもらいたいなと思っています」と笑顔で話しました。
鈴木副社長はまた、「僕からのちょっとしたアドバイス」として、「当たり前のレベルを上げること」の大切さを、背景にあるエピソードを交えて奨学生に話しました。
そのエピソードとは、サッカースクールを作るにあたって、鈴木副社長が1年間に3カ所を達成できればすごいことだと感じていたところ、本田選手は、それをはるかに上回る6年間で300カ所という目標を掲げたというものです。鈴木副社長は、「300カ所作らなきゃいけないとなると、自然と自分の考え方が全く違ってくる。どんな時間を削って何に使わなきゃいけないか、時間をどう大切に使うかをすごく明確に描くようになった」と振り返りました。
鈴木副社長は、当たり前に考えていることのレベルを上げてみると、自然に自分では思ってもみなかった能力が発揮できたり、自分で考えていた目標より高い目標が達成できたりすると強調し、「皆さんは、まだまだチャンスがたくさんある年代だと思うので、起床も7時が当たり前じゃなくて、6時を当たり前にするだけで、全く世界が違ってきます。そういうことを一つひとつ変えていくと、いいんじゃないかなと思います」と語りかけました。
続いて、ブラジルにいる本田選手から寄せられたビデオメッセージを全員で視聴しました。
本田選手はその中で、「本は皆さんが今後、自分の夢や目標に向かって勉強、そして行動をしていくうえで、ものすごく役に、大きな役に立ってくれるものです」と本から学ぶすばらしさを説き、「夢や目標に向かって、読書をすることで役に立ててもらえたら、僕としては非常に嬉しく思います」と話しました。
また、「皆さんとも日本で会えることを楽しみにしています。もしその時に、どんな本を読んだのか、そして何が変わったのか、話を聞かせてもらえるとさらに嬉しいです」と語りかけ、「自分の夢をあきらめずにこの先も頑張って勉強してください」と笑顔で手を振ってメッセージを締めくくりました。
これを受け、会場で参加した一人が奨学生を代表してあいさつに立ち、「憧れである本田圭佑選手から、また鈴木さんから、メッセージと図書カードをいただき本当に光栄です」とお礼を述べました。そして、国際社会で活躍できる人になるという夢を持って大学で世界の言語や文化について学んでいることに触れ、「先ほど鈴木さんからおっしゃっていただいたように目標を高く設定し、決して夢をあきらめずに毎日勉強して、頑張っていきたいと思います」と決意を新たにしていました。
日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 桂 詩央里
日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。