おもちゃ遊びでみんなとつながる~スマイルデー芸術と遊び創造協会の取り組み

こんにちは。「難病の子どもと家族を支えるプログラム」活動報告ページへようこそ。
国内事業開発チーム 難病の子どもと家族を支えるプログラムチームです。
今回は認定NPO法人芸術と遊び創造協会の取り組みをご紹介します。

スマイルデーで笑顔の1日を

難病の子どもと家族が安心しておもちゃ遊びができるイベント「スマイルデー」。東京・四谷にある東京おもちゃ美術館を貸切りにして2016年から定期的に開催されてきましたが、2020年は新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、オンラインで10月に二日間にわたり開催。首都圏をはじめ、遠くは富山、新潟、愛知、大阪など全国から57の家族が参加しました。

難病の子どもが外出するには呼吸ボンベやバギーといった装備に加えて、福祉車両を借りるなど、たくさんの準備が必要です。そのためにこれまで参加することができなかった人や遠方の人も、今回は自宅から参加することができました。

木育ワークショップやアロママッサージ、アイリッシュハープの演奏といった、スマイルデー恒例のプログラムも画面を通して実施。さらに、八ヶ岳から中継した自然体験会、歯科医師会の歯磨き指導、大道芸人のミニステージ、全国のおもちゃ美術館姉妹館や福祉施設をリレーで結ぶライブ配信など、新しい試みを加えた盛りだくさんの二日間となりました。

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スマイルデーのパソコン画面。たくさんの笑顔に励まされたというお母さんの声もありました

「何これ!」びっくりしちゃう贈物

スマイルデーのオープニングは手話を交えた歌と手遊びで賑やかに幕を開けました。

自然観察会では、事前登録した参加者に、前もってスタッフが集めた葉っぱを押し葉にし、ルーペなどのおもちゃと一緒に「自然観察キット」として届けます。押し葉の中にはセミの抜け殻も…。到着した荷物を開けるとご家族は「何これ!」と思わず声が出たと言います。

「箱を開けたときに、『わあ!すごい』と驚いてもらいたかったんです。私たちスタッフもわくわくしながら準備をしました。」とスタッフの遠藤基子さん。

当日のライブ配信では、八ヶ岳の雨に濡れる木々の様子を見ながら、葉っぱにシールを貼って顔を作ったり、光に透かして葉脈を観察して匂いをかいだり。普段は外にでかけることが難しい子どもたちにとって、秋の自然を感じられる楽しいひと時になりました。

木育ワークショップでは、事前に届けた山桜の枝をやすりで磨いてスプーンを作ります。出来た作品を誇らしげに手に持って他の子どもと見せ合いをするなど、画面を通して参加者同士のやりとりがありました。

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五感で感じるプログラム「自然観察ワークショップ」できょうだいと一緒に作ったおもちゃをみせて「はいポーズ!」。

離れていても、思ってくれる人がいる

全国にある東京おもちゃ美術館の姉妹美術館や福祉施設をつないだリレー中継では、日常では会えない同士の出会いが実現しました。山口県のおもちゃ美術館では、中継時に見学に来ていた地元の特別支援学校の子どもたちと交流。茨城県の難病児のデイサービスなどを運営するBuranoは施設長と保育士が小ネタをちりばめたトークを披露して盛り上げてくれました。また、沖縄県にある小児在宅地域連携ハブ拠点のKukuru+では、施設の案内に加えてレスパイトに訪れていた子どもたちとのやりとりも。寝たきりの子からは「沖縄に行ってみたいけれど、泊まることはできますか?」といった質問が出るなど、子どもたちの心に目標や希望が芽生える機会になりました。

東京おもちゃ美術館内のツアーでは、当日来館していた子どもたちが遊ぶ様子も伝えることができました。ツアーのゴール地点ではアイリッシュハープの演奏がスタート。優しい音色を体全体で感じて癒されて、「みんなで歌いたくなったね。一緒に歌いましょう!」と、聴覚が不自由な人のための手話を交えながら「ふるさと」を全員で大合唱。笑顔と感動のフィナーレとなりました。

「今回参加して、ああ、1人じゃない。こんなにたくさんの人たちが笑顔で寄り添ってくれているんだと感じられました」「毎日の生活に一杯いっぱいで家での遊びを忘れていました。このような機会をありがとうございました」といったお母さんの感想がよせられました。

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アイリッシュハープの演奏では手話ボランティアが歌詞を伝える様子も。
心温まる時間となりました

伝えることをあきらめない

「コロナで半年以上、全く外に出られていない子どもや親御さんも多くいらっしゃいます。こうした時期だからこそ、なるべく多くの人に参加してもらって、つながっているから大丈夫だよ!と伝えたかったのです」と東京おもちゃ美術館副館長の石井今日子さんは言います。

「オンラインでの開催は初の試みで、できることを何でもやってみようと、たくさんのことに挑戦しました。年齢層も幅広く、ネット環境も様々。つながらない、回線が途切れてしまうなど、様々なことが起きましたし、意思疎通がはっきりしないお子さんはスキンシップがとれるものがないとなかなか難しい。そうした反省は次に生かしていきます」。

今回は応援団という形でボランティアを幅広く募集。オンラインにしたことで地方からも「障害児の支援ってどういうものだろう?」と参加したおもちゃコンサルタントや、オンラインの遊びに関心を持つ福祉施設のスタッフもいました。

「状況が変わったから出来ないではなく、果敢にチャレンジをして自分たちの引き出しも増やします。あきらめなくても何とか伝える手段はあるんだなと感じることもできました。これからもまわりの人たちとのつながりを大事にしていろんな知恵を蓄積していけたらと思います」。

様々な混乱や困難を伴うコロナ禍のステイホームという生活を、難病のために家から出られない子どもたちが社会とつながり、新しい世界を発見する機会に変えた2日間でした。

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遊びとおもちゃのプロフェッショナル、おもちゃコンサルタントによる木育ワークショップ。画面越しとなると意思疎通をするにはまた違ったコツが必要に。工夫をしながら伝えます。

日本財団 難病の子どもと家族を支えるプログラムでは、日本全国に難病の子どもと家族の笑顔を増やしていきます。

難病の子どもと家族を支えるプログラム

認定NPO法人芸術と遊び創造協会

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文責 ライター 玉井 肇子
日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム 中嶋 弓子

寄付の状況 2021年1月末現在
3億582万7,135円
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