7期生認定証授与式 対面とオンラインのハイブリット開催5人の第7期生に認定証が手渡される

「日本財団夢の奨学金」の奨学生として新たに加わる2022年度第7期生認定証授与式が、3月17日に日本財団ビル(東京都赤坂)にて開催されました。新年度は5人が認定され、そのうち3人が対面で、2人がオンラインで参加というハイブリッド形式で行われました。奨学生に伴走するソーシャルワーカー6名と日本財団職員が見守る中、日本財団笹川陽平会長から認定証が授与され、激励を受けました。

初めに日本財団の吉倉常務理事が開会を宣言し「前年度は新型コロナウイルス感染防止のためオンラインでの開催でしたが、今年度はハイブリットという形ではありますが、対面でもお集まりいただくことができて良かったと思います」との挨拶がありました。

そして、日本財団笹川陽平会長から奨学生一人ひとりに日本財団夢奨学金第7期生の認定証授与となりました。職が奨学生の名前を読み上げられると「はい」と返事をして前に進み、笹川会長より認定証が手渡されました。奨学生は決意を新たにした表情で認定証を受け取っていました。オンライン参加の奨学生も名前も読み上げられ、授与としました。会場では職員から「おめでとうございます」との呼びかけと拍手が起こり、奨学生も笑顔がこぼれました。

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笹川陽平会長より認定証が授与された

自己紹介で学生生活の目標や将来の夢を語る

認定証を受け取った7期生。続いて一人ひとり自己紹介を行いました。「夢の奨学金」に応募した理由やこれからの学生生活での目標、そして将来の夢などを語りました。

文学部の臨床心理学科に進学した奨学生は、児童養護施設の職員として働いていました。「同じ境遇の子どもたちの力になりたい。そのために足りない知識や技術を学びたいという思いで大学進学を目指しました。大学で学んだことを、子どもたちへのよりよい支援につなげたいです」と決意を語りました。

「幼いころから絵を描くのが大好きでした」という奨学生は、すでに個人でグラフィックの仕事を請け負っていましたが、スキルを磨くためにコンピューターグラフィックが学べる専門学校に進学。「卒業後はCG クリエイターとして自分の作品を作りたいです。目指しています」と意気込みを語りました。

看護師を目指す奨学生は、看護の専門学校に進学し、正看護師資格を取得して「将来は子どもの命を助けるための医療に関わりたい」と意気込みを語りました。また、「看護師として力をつけ、最終的には里親になって、以前の私のような子どもたちにたくさんの愛情を注ぎたい」と将来のビジョンを表明しました。

夢の奨学金を受けて国立大学を卒業した奨学生は、今回、第7期生として大学院に進学しました。宇宙物理学を専攻し、素粒子理論研究室に所属します。「妥協することなく努力して、将来は自分が思い描いている素粒子理論の研究者の夢を叶えたい」と決意を語りました。

同じく国立大学の大学院に進むことになった奨学生は、大学生の時「大学院で数学の研究をして将来や講師や研究員になれたらどんなにうれしいだろう」と勉学に励むことを誓いました。2月には数理医学研究会で学術発表も行ったとのこと。自分が願った勉強ができることに感謝を述べました。

「目標を持っている皆さんは素晴らしい」笹川会長

これから勉学に励む奨学生に、笹川会長からの激励の言葉が贈られました。

「今日はおめでとうございます。先ほどの自己紹介をお聞きして、皆さんがそれぞれ学びの目標、人生の目的をお持ちであることは本当に素晴らしいと思いました。長い人生ですから途中で変わることがあってもいいのです。いま目標を持っていることが大事です。

皆さんそれぞれご苦労を抱えてこられました。私も小学生のころから預けられた家でご飯を炊いた地小学校3年生の頃から預けられた家で手伝いをしていました。薪でご飯を炊いたり、井戸掃除をしたり、畑で肥料を撒いたり。たいへん苦労をしたけど、振り返ってみると、懐かしい思い出です。

つらいことがあっても、人間は前を向いて生きないといけません。悩み事があっても、一晩寝たら、必ず朝が来ます。人生は何とかなりますから、深刻にならなくてもいいのです。

在学中は日本財団の担当者やソーシャルワーカーに何でも相談してください。日本財団は奨学金を出してそれで終わりではありません。卒業しても何かあったら相談してください。自分一人ではないということを、ぜひ今日は胸に刻んでください」

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激励の言葉を贈る笹川会長

奨学生は笹川会長からの温かい励ましの言葉をかみしめるように、頷きながら耳を傾けていました。

笹川会長へ質問「自分に自信を持つためには?」

続いて、奨学生から笹川会長に質問をする時間が設けられました。
すでに社会人経験がある奨学生は「私は自分にあまり自信が持てません。将来企業に勤めて、後輩ができたとしても、リーダーシップを発揮する自分が想像できないのです」と相談しました。

笹川会長は「いずれは先輩となり、皆を率いて仕事をしたいと考えていることは立派ですね。ただ、自分への自信やリーダーシップは自然に身についていくものです。まずは自分の技術を身に着けることを優先してみてください。“地位は人を作る”と言います。いずれそういう立場になったら、リーダーとして振る舞えるから、心配しなくてもいい」と励ましました。

「私はよい施設で育ったと誇りを持っていますが、それが理由でアルバイトを解雇されたことがあります。施設出身であることは隠さないといけないのか迷っています」という質問もありました。

「私はハンセン病という病気を治すために40年間、122か国を飛び回っています。そのハンセン病に罹った人に対する差別が根強くあります。世の中にはそうした間違った考えで差別をする人がどうしてもいる。そんな人のことで、あなたが心を痛める必要はない。堂々と生きてください。そして、竹が節を作って強くなるように、つらい経験も節にして、強くなっていってほしいですね」と励ましました。質問をした奨学生は「理解してくれる人とのお付き合い大事にしていきたいなと思いました」と安堵の笑みを浮かべていました。

「自己紹介の時には、自分の夢のために妥協しないで努力すると申しましたが、好きな勉強をしていても、時々自分は手を抜いているのではないか、と思うことがあります。手を抜かずに努力し続けるためにはどうすればいいでしょうか」という質問も出ました。

笹川会長からは「人間は全速力で走り続けるばかりでは倒れてしまいますよ。普通の人は自分が手を抜いていると気づかないで手を抜いているものです。あなたは自分が手を抜いていると自覚しているとは、たいしたものです。手を抜くときがあっていい、メリハリをつけて続けることを大事にしてください」とアドバイスされました。

「私を育ててくれた里親である祖父は、今でも苦労をして子どもを育てています。そんな祖父に自分は何もできない」と悩む奨学生に対しては「いいんですよ、あなたは学生として一生懸命学ぶことが大事です。そしておじいさんのことを心にとめて、折に触れて電話をしてあげてください。それだけでいいんです」と心に寄り添ったアドバイスがありました。

ぞれぞれの奨学生の質問に対して、笹川会長からの心のこもったアドバイスがあり、みな真剣な面持ちで聞き入っていました。「みなさん、いい質問をしてくれました。これからもがんばってください」と笹川会長の言葉で授与式は終了となりました。

寄付の状況 2022年5月末現在
5億858万4,647円
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