グローバル・アピール2016

写真:インドのハンセン病コロニーに住む子供たち

日本財団は「世界ハンセン病の日」(1月の最終日曜日)に合わせて、「THINK NOW ハンセン病―グローバル・アピール2016〜ハンセン病患者と回復者に対する社会的差別の撤廃に向けて」(以下グローバル・アピール)を発表します。11回目となる今年は、2016年1月26日(火)に2年連続となる東京から世界へと発信します。

ハンセン病問題の未来を考えるグローバル・アピール2016

ハンセン病問題には、2つの側面があります。それは「病気としての制圧」と「社会的差別をなくすこと」。日本財団会長の笹川陽平(WHOハンセン病制圧大使、日本政府ハンセン病人権啓発大使)は、2つが一緒に動かないと走れないバイクの両輪に例え、双方の課題解決を進めないとハンセン病問題は前に進まないと述べています。
日本財団では、2006年以降、1月末の「世界ハンセン病の日」に合わせて、医療、法曹、教育、宗教など各界を代表する組織や個人の賛同を得たうえで、毎年グローバル・アピールを発表し、「ハンセン病は治る病気で、治療も無料で受けられること」「偏見や差別は不当であること」を世界に訴えてきました。

10回目となる昨年は初めて日本で開催しました。式典には安倍晋三内閣総理大臣や塩崎恭久厚生労働大臣らが参加したほか、式典翌日には世界各国から来日したハンセン病回復者たちが天皇皇后両陛下に謁見する機会を得、ハンセン病の問題を国内外に広く訴えました。
11回目を迎えるグローバル・アピール2016は、「ハンセン病を通じて差別を考え、そして行動する」をテーマに据え、世界中の回復者やその家族、医療関係者、人権専門家、NGO関係者らが共に語り合う機会を提供します。

写真:式典でスピーチする安倍晋三内閣総理大臣
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グローバル・アピール2015宣言の模様

次代を担う若者のハンセン病理解を促進するグローバル・アピール2016

2016年の「グローバル・アピール」共同宣言パートナーは、次代の社会的リーダーを志す18歳から40歳までの青年が集い社会貢献活動などを行っている国際青年会議所です。ハンセン病問題を次代に繋いでいくためには、若者のハンセン病に対する深い理解や行動が不可欠となります。
日本財団と国際青年会議所は、今後もインドやブラジルのようにハンセン病の問題がいまだ大きい国での周知啓発活動を継続的に実施していくことを検討しています。

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「ハンセン病でつながる若者と世界」合同シンポジウムで学生ボランティアと談笑する笹川会長(2015年)
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フィリピン・クリオン島で回復者と触れ合う学生ボランティア(2014年)

関連イベント

日本財団はグローバル・アピールの発表に合わせて、世界の回復者と日本の若者たちが直接対話する「ワールドカフェ」や、学生たちがハンセン病関連図書の感想をぶつけ合う書評合戦「ビブリオバトル」などのイベントを開催します。

また、ハンセン病の歴史を次代に残すことを目的に、笹川記念保健協力財団と共催で「ハンセン病歴史 人類遺産世界会議」を3日間にわたり開催します。
1980年代に治療法が確立して以降、病気としての制圧では大きな成果を上げている一方で、「ハンセン病は過去の病気」と考えられるようになり、長い歴史を通して蓄積された記録や記憶は急速に失われつつあります。日本では、ハンセン病に一旦罹患すると強制的に社会から隔離され、子供を作ることも許されなかったため、多くの回復者の方々には子供や孫がいません。回復者の平均年齢が約84歳となった今日、苦難を乗り越えた体験談や人権闘争の歴史に触れる機会が少なくなっています。
これまで国や地域ごとに歴史的な資料の記録や保存に従事し、共通の問題意識を持つ人々が一堂に会し、国際的な連携をはかることで、歴史保存の次なるステップへ向けた話し合いを行います。

このほか、ハンセン病と生きる人々を記録した写真展「ハンセン病を考えることは、人間を考えること。」は、東京、大阪、福岡と巡回展を行います。
日本財団ではグローバル・アピール後も啓発キャンペーン「THINK NOW ハンセン病」を継続し、一人でも多くの人がハンセン病についての理解を深め、偏見や差別について考え、さらには行動を起こしてもえるよう、活動していきます。

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日本同様、高齢化が進む中国の回復者村
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秋葉原街頭での「THINK NOW ハンセン病」キャンペーンの模様。回復者や安倍昭恵首相夫人も参加(2015年)