養子縁組と里親制度の違い
日本では生みの親のもとで育つことができない子どもたちは約42,000人いますが、その約80%が乳児院や児童養護施設などの施設で暮らしています。養子縁組と里親制度は、保護を必要としている子どもに家庭での養育を提供するための制度ですが、制度には違いがあります。
「里親制度」は、育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度で、里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者となります。里親には、里親手当てや養育費が自治体から支給されます。
「養子縁組」は民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度であり、養親が子の親権者となります。養子縁組が成立した家庭には、自治体などからの金銭的な支援はありません。また、養子縁組にも2種類あり、普通養子縁組は跡取りなど成人にも広く使われる制度ですが、特別養子縁組は特に保護を必要としている子どもが、実子に近い安定した家庭を得るための制度です。
なお、2017年4月に改正児童福祉法が施行され、生みの親が養育できない子どもは、養子縁組や里親・ファミリーホームなど家庭と同様の養育環境で、継続的に養育されることが原則となりました。