WORK!DIVERSITY(ダイバーシティ就労)プロジェクト

障害者支援
あなたのまちづくり

2018年、日本財団の調査により、引きこもり、ニート、ミッシングワーカー、刑余者、若年認知症、難病、各種依存症など、生きづらささらには働きづらさのある方々がのべ1500万人におよぶことが判明しました。
その多くが、適切な支援があれば就業し自立は可能と思われますが、現行の制度下では、一部の共助はあれ自助が中心で公助のシステムに乏しいのが実態です。
一方、人口減、労働力不足が顕在化しはじめた社会状況は今後さらに加速、また2038年には50兆円を越えようとする社会保障は、もはや天文学的な数字と化した1000兆円超の財政赤字をさらに膨張させようとしています。

ロゴ:日本財団 WORK!DIVERSITY

そうした背景において、日本財団は新たなプロジェクトを開始しました。前述の働きづらさのある方々を新システムにおいて支援し、就業を促進、労働市場において潜在労働力として人材活用が活発化、さらにはタックスペイヤーとなることで社会保障、財政改革にも好影響をもたらします。
働くことで個人の幸福度を高め、潜在的労働人材を供給し、わが国が持続可能社会として発展し続けることに寄与することが目的の本プロジェクトは、既存の就労支援施策を改良、拡大するもので、即効性、具体性のある展開を可能とする内容。その景色こそ、まさに一億総活躍社会の姿であると考えています。

働きづらさを抱える人たち

現在全てを一覧とした調査は存在しないことから、公表されている資料の数字を集積したものが下表。単純な積上で1500万人を超えると想定。中にはすでに働いている方、重複した要因にわたる方があると推定され、その実数は約600万人と思われます。

就労困難者の推計人数を表す棒グラフ。15歳から54歳のニートが145万人、15歳から39歳の広義引きこもりが54万人、20歳から59歳のネットカフェ難民が0.4万人、64歳以下のホームレスが0.3万人、15歳から64歳の非就労障害者が356万人、15歳から64歳の難病患者が60万人、15歳から64歳のがん患者が48万人、15歳から64歳のHIV感染者が1.7万人、15歳から64歳のAIDS患者が0.6万人、18歳から64歳の若年性認知症が3.1万人、15歳から64歳の薬物経験者が81万人、15歳から64歳アルコール依存症が109万人、15歳から64歳のLGBTが220万人、20歳から64歳の刑余者が1.9万人、貧困母子世帯が49万人、高齢者が329万人。

人口減と労働力不足

今後、確実にわが国の人口は減少し続け、2045年頃には1億人の大台を割り込むことが予測されています。伴って労働人口も確実に減少し、2025年頃には国全体で600万人が不足するとの試算が示されています。
人口減が必至の社会状況にあって、産業を継続し国力を維持し続けていくためにも潜在的な労働力を顕在化し活躍していただくことは重要な視点だと考えています。

社会保障と財政改革

国債や借入金など積み重ねてきた国の債務残高は1,000兆円を超えました。これは国民一人あたり850万円にも及ぶものです。さらに高齢社会にあって、国の予算における社会保障費はますます膨張し続けています。このような状況にあって労働力減を要因に経済を停滞させることはわが国を持続可能社会からますます遠ざけます。

新就労支援システム

少子高齢に加え、現実化していく社会保障増大、労働力不足社会。この喫緊の課題解決に既存のシステムを新たな視点で活用し、個々のQOLを高め、社会に新たな労働力を輩出しようとするプロジェクトがWORK!DIVERSITY(ダイバーシティ就労)です。 その具体的なシステムは、縦割りに展開されている各就労支援事業を横断的に再統合するダイバーシティの機能を有します。ただし、それは新設するものではなく、既存のものを活用する計画です。ベースとなる就労支援機能として対象者別に各種展開される就労支援事業の中で最も整っていると思われる障害者総合支援法における就労移行支援事業および就労継続支援A型事業を活用する構想です。現行、このサービスは障害者以外に活用することができませんが、その就労支援の内容は働きづらさを抱える多様な人々に活用できるものと考えられます。

今後の研究と実践

  • 全体構想構築(試案づくり)
  • 社会保障と財政の関連検討
  • 海外状況の分析
  • 態様別の支援方法マニュアル

の研究をベースに
テーマ別に就労支援のモデル実証実験を全国の各自治体と協働して行う予定です。

検証と制度化、そして活用

研究とモデル実践を通し、その新定義と具体的支援方法を確立、さらにその効果を経済的視点から解明、そのエビデンスやフォーラムを通じて地方、国さらには広く国民に「わが国の国益に資する」との理解を得た上で、社会制度化を実現し、その新システムにおいて障害者以外にも多様な就労希望者を有効的に支援し、社会に送り出すことを目指します。