新型コロナに翻弄される子ども食堂への支援
2020年4月に発出された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の影響が続く中、同年5月18日、子ども食堂に対する助成申請受付が始まった。
コロナ禍で、密となって食事をとる子ども食堂は感染リスクが高く活動を休止せざるを得なかった。しかし、生活に困窮し支援を必要とする世帯は増加傾向にあったため、活動形態を弁当配付やフードパントリーに変更し、支援を継続していた。ただ、弁当容器代、宅配料、衛生用品代などの支出がかさみ、ニーズに応えようとすると団体の負担が大きくなるという問題に直面していた。子ども食堂への助成金支給には、こうした背景があった。

当財団も「新しい地図」(稲垣吾郎氏、草彅剛氏、香取慎吾氏)の3名と共に2020年4月に「LOVE POCKET FUND」(愛のポケット基金)を立ち上げ、寄付金を用いて「新型コロナウイルス対策緊急食支援事業」として、特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえと協力して支援団体を募り、28都府県66団体を支援した。
現場では、フードパントリー等の活動に加えて相談事業を実施した団体もある。例えばコロナ禍で労働時間の減少や解雇に直面した子を持つ非正規労働者は、それでも人に迷惑をかけまいと耐えていた。食料配付の際に言葉を交わし、必要に応じて支援につなげていった。「ゆっくり話を聞いてもらうことで力を取り戻す場所にもなっている」と団体職員は相談事業の重要性について語った。
また「新しい地図」の3人の支援である点も団体職員を勇気づけた。支援から1年後には、「新しい地図」から慎吾ママの写真パネルが各団体に贈られた。助成金だけでない支援の気持ちをつなぐ意義の大きさを改めて認識した。

(飯澤 幸世/経営企画広報部)