里親家庭へ、衛生用品の支援

日本には生みの親と暮らすことができず社会的養護を必要とする子どもが2021年3月末時点で約4万2,000人いるが、このうち約7,700人が里親家庭やファミリーホーム(子ども6人まで受け入れが可能な家庭)で生活している。
新型コロナが問題になった当初、こうした里親家庭やファミリーホームでは、子どもたちのマスクや消毒薬が不足していた。また、児童相談所職員や里親相談員による家庭訪問も実施できず、里親会の集まりや研修の実施も困難になったことで、子どもについての相談が難しく孤立しがちな状況となった。里親は子どもを預かっている立場なので、「自分がコロナに感染してはいけない」という不安の声も寄せられた。
こうした状況の解決のため、当財団は公益財団法人全国里親会や一般社団法人日本ファミリーホーム協議会を通じて、全国各地の里親会やファミリーホームにアルコール消毒液、マスク、非接触体温計、防護服などの衛生用品とiPadなどのタブレット端末の提供を支援した。特に受け入れている子どもの数が多いファミリーホームからは、「最も必要としていた、アルコール消毒液、マスク、ペーパータオルなどを送っていただき、本当に助かった。特に非接触型の体温計は、体に触れられることを嫌がりがちな、障害がある子などの体温を計るのにとても重宝した」などの声が寄せられた。
また、タブレット端末を使って、里親やファミリーホームを対象に、感染者の自宅隔離に対する対処方法や防護服の活用方法等についての研修をオンラインで実施したことで、不安の解消につながった。
(高橋 恵里子/公益事業部)