「海と日本PROJECT」-stay home with the sea

2020年4月16日、新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受けて日本全国に初の緊急事態宣言が発出された。その影響は教育現場にも及び、全国の多くの学校が休校措置をとるなどしたため、自宅待機中の子どもたちが多数発生した。
当財団は、そうした子どもたちに向け、「海と日本PROJECT」の経験を活かし、新たなプロジェクトを立ち上げた。2020年4月27日、インターネット上に「stay home with the sea」を開設。自宅待機中の子どもたちに自宅にいながら「海」を身近に感じてもらえる10種類のコンテンツの配信を開始した。配信する上で重視したのは「子どもの好奇心や探求心を絶やさない」「父母による家庭での学習サポート」「子どもにも家事を手伝ってもらう」の3点で、その中の主なものを紹介しよう。

  • 全国16カ所の水族館からのオンライン配信で1カ月の間に82本の動画を公開。飼育員だからこそ撮影できる海の生き物の生活などの動画が人気となった。
    オンライン水族館のサイト画面
    オンライン水族館のWebサイト訪問者数は1カ月間で12,789人となった(2020年5月)
  • 算国理社の4教科と一緒に海を楽しく学べるドリル「ウミドリる」は、在宅勤務中の父母からも好評で、ドリルの総ダウンロード数は1カ月間で14,253件に上った。
  • 海に関する自由研究を、魚類学者のさかなクンに審査してもらう“小さかなクン”コンクールを開催。全国から計403点の応募があり、鹿児島県の小学5年生の研究がグランプリに選ばれた。
    絵
    「小さかなクン」コンクールのオンライン表彰式でお祝いメッセージを伝えるさかなクンのイラスト(2020年5月)
  • 海の食材を使った料理を親子で楽しむ「おうちで海ごはん」コンテストは1カ月間で2,522件の投稿があり、親の家事負担の軽減や家族のコミュニケーションの円滑化を図ると共に、子どもの料理や海への関心を高めた。

Webサイトの閲覧数は開設から1カ月間で139,543PVに上り、多くの待機児童家庭で「with the sea」を感じてもらいながら様々な取り組みへも参加してもらった。当財団が当初考えていた目的は果たせたものと思っている。Webサイトは2022年8月現在も継続中である。
(中嶋 竜生/海洋事業部)