IT活用の促進、強化
電子化促進、助成事業管理システムの開発
当財団は、2016年の電子稟議導入を皮切りに、IT導入を進めてきた。紙ベースで存在していた助成事業ファイルや監査報告書を電子化し、電子契約などのシステムも順次導入。自宅や出張先での業務も可能になり、組織を「場所にとらわれない」業務推進体制へと変化させた。
モーターボート競走法で定められている助成事業は当財団にとって重要な業務である。しかし、それを管理する助成事業管理システムは20年前に開発されたもので、すでに経年によりシステムの改編が必要な状況であった。このため新システムの再構築に2018年から着手、2020年4月に完成した。これにより今後予測される業務の多様化に柔軟に対応できる仕組みが実現した。
なお、寄付金による支援事業管理システムは、2022年4月1日より稼働している。

職員のスキルアップをサポート
当財団は、生産性の向上を目指し、全職員にノート型パソコン、スマートフォンを貸与し、システムの導入やソフトウェアのアップデートなどを一斉に展開することで業務効率化を図ってきた。しかし、こうした機器に対して職員一人ひとりの理解と知識の深まりなくして、個人のスキルアップや生産性向上は望めない。そこで、大きなカギとなるのが職員への教育サポートである。
パソコンやスマートフォンに不慣れな職員でも、それらのデバイスを有効に活用できるレベルまでサポートすることを目的に、「小さなIT講座」を2017年10月から定期的に開催し、業務の効率アップを図っている。講座は自由参加・途中退出可能というスタイルで、職員一人ひとりの主体性と自らが理解したいと考え参加する姿勢を尊重している。毎回の講座内容もアーカイブ化し、役職員がいつでも自由に学習できる環境を整えている。最初は月2回の実施だったが、参加者が想定した以上に多いこと、さらに職員に周知したい内容が増えていることから、原則毎月4回の実施となった。
Google Workspaceの本格導入
当財団では他社のグループウェア(財団内のコンピュータネットワークを活用した情報共有のためのソフトウェア)を利用し情報共有を行っていたが、外部からのアクセスが困難な上、容量にも制限があり、また迷惑メール対策などから、事業の現場や役職員間でコミュニケーションに支障をきたしていた。そこで端末に依存せず、インターネットのWebブラウザ上で完結可能な、Google社のGoogle Apps(現Google Workspace)を2019年2月に本格導入した。メール、カレンダー、オンライン会議、チャットやアンケートフォーム等のツールが標準装備されており、分かりやすいデザインで苦手意識を持つ世代でも利用しやすい。また、いつでもどこでも情報にアクセスすることが可能だ。
新規導入されたGoogleドライブを積極的に活用し、財団内および外部とのデータ共有を図ることで強力な連携が可能な環境を実現した。その他、機密情報の安全管理、データの記録保持など、横断的検索が可能なツールを導入したことにより、過去のリソースを容易に発掘可能にし、業務の効率化につなげていった。特に2020年以降のコロナ禍により、打ち合わせや資料のやり取りがオンライン化した際には、非常に有益なツールとなった。
(萩原 康太郎/総務部)