北欧の日本研究フェローと大学のネットワーキングとコラボレーション会議
エリザベス・ニルソン・スカンジナビア・ニッポンササカワ財団理事長、ソレン・ビルケア・コペンハーゲン・ビジネススクール学部長、各国で活躍されている理事の皆さん、お集りの講師・フェローの皆さん、特に、宮川学・駐デンマーク特命全権大使のご臨席に御礼申し上げます。
そして、北欧における日本研究の仲間が一堂に会する本会議において挨拶する機会を頂いたことに感謝申し上げます。また、今回会議を主催下さったデンマークのコペンハーゲン・ビジネススクールと、特に中心的な役割を担ってくださったシェルエリック・ブロスガード教授に厚く御礼申し上げます。
デンマークには、欧州最古と言われるデンマーク王室があり、日本の皇室と親密な関係を築いてきました。両国の交流は150年以上前から始まり、交流が始まった当初日本の使節団がクリスチャン九世国王陛下に拝謁した記録も残っています。そしてデンマークと日本の長きにわたる友好は、王室と皇室の交流にとどまらず、民間においても貿易活動をはじめとする経済活動や文化交流にも拡大されています。
こうしたデンマークをはじめとするフィンランド、アイスランド、ノルウェーそしてスウェーデンという北欧諸国との良好な関係の更なる発展には、皆さんのような日本に精通した専門家が不可欠です。私は、皆さんのように「日本研究をしたい」という熱い気持ちを持つ方々に支援を提供できることを嬉しく思います。そして、日本財団の奨学金をはじめとする人材育成事業は、単に資金的な援助をすることにとどまらず、一生涯にわたって交流をしていくということに特徴があります。既にこれまで全世界で30,000名を超えるフェローのネットワークがありますので、是非ともご活用いただきたいと思います。
サミュエル・ハンチントン氏が名著「文明の衝突」の中で8大文明の1つとして言及している通り、日本は2000年以上の歴史に裏打ちされた神秘的で奥深い国です。こうした歴史の礎をもとに、日本はデンマークとの交流が始まった150年前に近代化への歩みを進め、政治や経済を含め成熟国家となりました。そして、今や日本は高齢化や人口問題、環境、エネルギーなど近代社会が直面する課題の解決にも取り組んでいる国でもあります。私は、皆さんが日本のこうした現代課題に対する先進的な事例を学ぶことが出来ることに加え、日本は必ずや皆さんの知的好奇心を十分に満たすことができると確信しております。 皆さんには素晴らしい研究をしていただくと同時に、日本の文化と伝統にも興味を持っていただき、北欧諸国と日本の関係強化の架け橋として活躍いただくことを期待しております。ありがとうございました。