宮城県との障害者工賃の向上に向けた連携協定の締結について

日本財団は、2020年12月23日に、宮城県との障害者工賃の向上に向けた連携協定を締結しました。本協定は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用して、企業等からの受注を確保し、県共同受注窓口(みやぎセルプ協働受注センター)を介して、県内の就労継続支援B型事業所等へ、年間を通じて高収益の仕事を安定的に、配分することで工賃向上を目指す取り組みの実施に向けて締結したものです。

写真:宮城県の村井知事(左)と日本財団理事長の尾形(右)

日本財団は、2016年度に鳥取県と協定を取り交わし、共同プロジェクトの一環として、県内就労継続支援B型事業所の工賃3倍増を目標として、複数のモデル拠点の整備を行いました。その1つとして、企業から受託した仕事を県内の複数の障害者施設間で分担して、施設外就労として軽作業等を行う、県共同受注窓口(鳥取県障害者就労事業振興センター)が運営する共同作業所を整備しました。

個々の事業所では、人手や人材の問題から企業営業が十分に行なえずに、年間を通じて安定した高工賃の仕事を確保することが難しく、また、施設単体では、生産力が小さく、企業ニーズに対応しきれず、受注に結び付きづらい状況があります。

鳥取県での共同作業所のモデルでは、営業を外部へ委託。県内の複数の事業所が参加することで、作業分担して共同で取り組む体制を構築し、企業ニーズに対応可能な生産力を確保しました。現在、30人程度の障害者が参加し、今年度11月末時点の平均工賃月額は7万円を超えていいます。これは鳥取県の2019年度平均工賃月額の約3.6倍に相当します。

BPOは、様々な企業の業務プロセスから外注可能なものを切り出し、これを受注して、下請先とマッチングや下請先の工程管理のノウハウも有していることから、この度、宮城県での取り組みでは、鳥取県でのモデル事業を原点として、BPOの専門性を活用し、県共同受注窓口との協働体制により、県内の障害者施設に年間を通じて安定した高工賃の仕事を継続的に提供可能な仕組み作りを宮城県と協力して行うことを想定しています。