知的障害者40人の「人生の岐路における選択」経験についての実態調査「自分で決める」を支える社会へ

障害者や認知症高齢者は、自分自身の希望や願いを聞かれることがなかなかありません。どこに誰と住むのかといった人生における大切な場面であっても、周囲の人の良かれと思う選択がなされがちです。2006年、「私たちのことを私たち抜きで決めないで」を大切な考え方として障害者権利条約が国連で採択されました。

日本財団では、障害者や認知症高齢者等の意思決定支援の仕組み作りを進めています。
その一環として、福祉施設の利用者40人に対して、自分の人生での選択や支援について試行調査を行いました。この調査は、知的障害のある当事者の実情を確認し、自分の可能性を生かして自分らしく暮らせるような支援の仕組みやプログラム開発の一助とすることを目的としています。

本調査では、進路を決めるときに、本人の意見が聞かれ、自分で決めたと回答した人は約半数(21人)で、聞かれなかったと回答した人は11人(約3割)でした。意見が聞かれたと回答した21人のうち、仕事を継続していたのは15名であった一方、意見が聞かれていないと回答した11人のうち、仕事を継続していたのはわずか1人でした。調査結果の詳細は、報告書および、6人に対するインタビューの「語り」をご覧ください。なお、このような数的調査は、知的障害のある当事者に対しては、これまで例がありません(日本財団調べ)。

国連・障害者権利委員会委員からのコメント

知的障害者として障害者権利委員会の初の委員となっているニュージーランドのロバート・マーティン氏より、以下のコメントを頂きました。​

高等部卒業時の進路選択の際、自分の希望を聞かれたと答えた人が約半数しかいなかった、ということには、驚かない。
障害者権利条約 第12条 法の前にひとしく認められる権利は知的障害のある人達にとって非常に重要である。
すべての人に自分自身で選択をする権利がある。
例えばわかりやすい情報の提供といった適切な情報を得ることや、必要に応じてその人のペースに合わせて時間をとるということが大切である。
今回の調査対象は言葉で表現できる人であるが、言葉で表現できない人を含めて、すべての人に意思決定支援が確実に提供されることを願っている。ジェスチャーや表情を読み取る、コミュニケーションの支援機器を使うことも必要。
そして当事者の周囲の人、家族、先生、支援者が意思決定支援に関する研修を受けるべきであると考えている。

画像:ロバート・マーティン氏

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