1万人以上を対象とした「海のそなえ」水難事故に関する調査結果12歳以下の水難事故に関する安全教育の必要性が浮き彫りに
日本財団 海のそなえプロジェクトでは、日本ライフセービング協会、日本水難救済会とともに水難事故が増加する7~8月を迎える前に、これまでの水難事故防止策の常識を疑い、何が正しくて、何が有益な対策なのか、水難事故に関する3つの調査を実施いたしました。
この調査では、「水難事故に関するファクト・実態調査」「国民の水域利用と水難事故に関する意識調査」および「水泳指導に関する意識調査」の3つの調査を実施し、調査データを分析した結果をサマリーとしてまとめています。
- 水難事故の発生は14時に多い
- 約5人に1人が、「自力で陸や地上に戻れない」「意識を失う」「心肺停止になる」といった、溺れの経験がある
- 溺れの経験のある人で、溺れた当時のプールでの泳力は、25m以上泳げる人が約半数だった
- 溺れの経験の時期は、12歳(小学生以下)までが多く、溺れの多くは、幼少期の体験である
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調査実施背景
水難事故が増加する夏。なぜ「コピペ事故」(=似たような事故)が繰り返されるのか。夏に向けて水辺の危険が増える時期を迎える前に、問題提起を含め水難事故の実態を明らかにし、これまでの水難防止・救済情報の常識を疑うことで、「何が正しくて何が有益な対処法なのか」を明確にします。
調査概要
調査1:水難事故に関するファクト・実態調査
目的
水辺の溺れ事故について、関係機関がデータを収集しているが、助かった事例も含む全ての水域での溺れ事故を対象とした国としてのナショナルデータはない。そこで「既存データの収集・分析」と「夏季の溺れ事故の実態調査」を実施し、わが国の溺れの事故を正しく理解する。さらに、これらの結果をもとに、全国の溺れ事故のデータベース化を図るためのシステムを検討する。
調査手法
- 既存(公開)データの収集・分析
- 報道記事調査(2024年7, 8月実施)
データ元
- 厚生労働省「人口動態統計」
- 警察庁「水難の概況」
- 海上保安庁「海難の現況と対策」「海上保安統計年報」
- 消費者庁「こどもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議資料」
- (公財)日本ライフセービング協会「アニュアルレポート」
調査2:国民の水域利用と水難事故に関する意識調査
目的
溺れ事故に関する既存データはあるが、事故防止のためには利用者の行動や考えを理解する必要がある(国民の水辺利用に関する行動実態は明らかでない)。そこで自然水域に関する利用者の知識、技能、行動、溺れの経験などを調査。調査1の結果と合わせ、これまでの常識を疑うような事実の洗い出しを行い、原因を正しく理解して対策を検討。
調査手法
- 方法:インターネット調査
- 期間:2024年5月2日~16日
- 対象:一般利用者(国民)、都道府県均等割り、15歳~70歳の男女、回答数11,829人。
- 内容:Ⅰ基本情報、Ⅱ利用[場所・方法・頻度](11問)、Ⅲ教育(21問)、Ⅳ安全知識(19問)
Ⅴ溺れの経験(19問)、Ⅵ装備[ライフジャケット](11問)、そのほか(4問)計85問
調査3:水泳指導に関する意識調査
目的
学校教育で実施されている水泳授業は、子どもたちの泳力を高めることで、水難事故から命を守ることに寄与されると考えられてきたが、水難事故による死亡者数は減少していない。そこで教育関係者に学校で実施されている水泳授業の実態を調査することで、その課題を明確にし、必要な水泳授業の内容や支援策について検討する。
調査手法
- 方法:インターネット調査
- 期間:2024年5月2日~6日
- 対象:2023年度に「小学校教員」もしくは「中学校教員」として勤めていた20歳以上(上限なし)の男女、回答数2,060人。
- 内容:Ⅰ基本情報、Ⅱ水泳授業に関する質問(28問)
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お問い合わせ
日本財団 海洋事業部
- 担当:古谷・野本
- メールアドレス:kaiyo_info@ps.nippon-foundation.or.jp