南鳥島近海における海底鉱物資源の調査速報レアメタルを豊富に含むマンガン団塊が2.3億トン
コバルトの資源量は日本の年間消費量の75年分以上
日本財団と東京大学大学院工学系研究科は、日本の排他的経済水域内(南鳥島周辺海域)において、レアメタル(希少金属)を豊富に含むマンガンノジュール(※1)が、高密度で広範囲に分布する有望海域を特定しました。
有望海域におけるマンガンノジュールの資源量は2.3億トン以上と推計され、採取したノジュールの分析から、コバルト(※2)は国内消費量の約75年分以上、ニッケル(※3)は約11年分以上の資源量を見積っています。
2023年6月より南鳥島周辺海域におけるマンガンノジュールの揚鉱(※4)実証試験及び社会実装に向けた検討を進めてきましたが、この度、揚鉱実証試験の事前調査として、2024年4月下旬より47日間にわたる調査航海を実施、資源量や資源分布等の精密調査と、環境影響評価に向けた基礎調査を行っており、その速報を発表したものです。
今回の調査航海の結果をもとに、揚鉱実証試験に向けた準備を進めるとともに、商用化を目指す産官学プラットフォームとしてコンソーシアム等の推進体制を構築していく計画です。
- ※ 1 マンガンノジュール:海底鉱物資源の一つで、電気自動車やスマートフォンなどのハイテク製品に使用されるレアメタルを含む鉱物を指す。マンガン団塊。
- ※ 2 コバルト:コバルト:携帯電話、ノートパソコン、電気自動車等に使用されるリチウムイオン電池の正極材原料として重要。そのほか、高速度鋼や耐熱鋼などの特殊鋼添加剤や、サマリウム-コバルト磁石などの磁性材料として使われています。
- ※ 3 ニッケル:クロムなどとの合金によるステンレス鋼や耐熱鋼などが最大の用途。また、最近はコバルト同様リチウムイオン電池の正極材原料としての用途も拡大しています。
- ※ 4 揚鉱(ようこう):海底の鉱物資源を海上に引き上げること
南鳥島周辺海域における海底資源マンガンノジュールに関する調査結果記者発表会の概要
- 主催者挨拶:日本財団会長 笹川陽平
- 調査の意義について:東京大学大学院工学系研究科長/教授 加藤泰浩
- 事業概要・調査結果の説明:日本財団常務理事 海野光行
【発表資料】南鳥島周辺海域におけるマンガンノジュールに関する調査結果(PDF / 4MB) - 調査結果の詳細説明: 東京大学大学院工学系研究科教授 中村謙太郎
【発表資料】調査結果の詳細説明(PDF / 6MB)
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日本財団 海洋事業部
- 担当:野本、古谷
- メールアドレス:oceanminerals@ps.nippon-foundation.or.jp