深海での「暗黒酸素」研究を本格始動新たな酸素発生メカニズムの解明に向け、英国のスコットランド海洋科学協会を支援
2025年1月17日、ロンドンのスコットランド・ハウスにて、日本財団とスコットランド海洋科学協会(SAMS)は共同記者イベントを開催し、海底において光合成とは異なる方法で生み出される謎の酸素、いわゆる「暗黒酸素」の新たな研究の開始について発表しました。

暗黒酸素の実態解明を目的とした本研究を率いるのは、SAMSのアンドリュー・スウィートマン教授です。この研究のために新たに開発する専用の実験装置を用いた深海11,000メートルまでの調査で、暗黒酸素の発生源を特定するとともに、海底の生態系において果たしている役割について明らかにする計画です。
日本財団の笹川陽平会長は、「人類にとっていまだ未知の世界である深海底の実態を、確かな科学で明らかにしたい」と述べて、本研究に取り組む意義を強調しました。今後、日本財団はSAMSに3年間で総額約200万ポンド、4億4,000万円(1ポンド220円換算)を支援し、世界の研究機関や国際機関との連携を進めながら、深海底の謎を解明することを目指します。

本研究はユネスコの政府間海洋学委員会(IOC/UNESCO)により「国連海洋科学の10年」のプロジェクトとして承認を受けています。光合成に頼らない酸素の生成が起きている可能性を最新の科学で調べる本研究はNASAからも関心が寄せられており、地球上の生命の起源や地球外生命体の可能性に新たな知見をもたらすと期待されています。

開催日時
2025年1月17日(金)11:00~13:30
開催場所
スコットランド・ハウス(ロンドン)
主催
日本財団、スコットランド海洋科学協会(SAMS)
お問い合わせ
日本財団 海洋事業部
- メールアドレス:kaiyo_info@ps.nippon-foundation.or.jp