おもちゃセット「あそびのむし」 全国90か所の施設・病院へ配布完了2月28日はRare Disease Day (世界希少・難治性疾患の日)

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寄贈されたおもちゃで遊ぶ様子(FLAP YARD 療育室つばさ 提供)

日本財団は「難病の子どもと家族を支えるプログラム」の一環として、東京おもちゃ美術館と共同開発した難病の子どもと家族が一緒に遊べるおもちゃセット「あそびのむし」を配布し、このほど配布が完了しました。
本配布は、昨年のクリスマス時期から2月28日のRare Disease Day (世界希少・難治性疾患の日)にかけて、全国約90か所の施設と病院に行いました。
「子どもと遊べるなんて知らなかった。」日々、医療ケアを欠かせない子どもの看護に追われるお母さんが漏らした一言から始まった、おもちゃセット「あそびのむし」は、全国に届き、喜びの声が寄せられています。

難病児むけおもちゃセット「あそびのむし」ができるまで

日本の周産期・新生児医療の発達に伴い、救える命が増えてきました。一方で、家族は子どもの誕生に喜びつつも、退院後、家族は子どもに対して医療的ケアを日々行う必要があり、片時も目を離すことができず、なかなか子どもとゆっくり遊ぶ時間がありません。
2017年~2019年にかけて日本財団は難病の子どもと家族のために東京おもちゃ美術館を貸切り、思い切り遊んでもらうイベントを企画・支援してきました。その中で聞こえてきたのは「子どもと遊べるなんて知らなかった」という、日々子どもの看護に追われるお母さん達の声でした。

そこで日本財団と東京おもちゃ美術館は、2019年より難病の子どもと家族が一緒に遊べるおもちゃセットの開発に取り組み、2020年に「あそびのむし」が完成しました。そして同年のクリスマスから2021年2月28日のRare Disease Dayにかけて、全国90か所の施設・病院へ配布を行いました。

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おもちゃセット「あそびのむし」

施設・病院からの声

FLAP YARD 療育室つばさ(足立区)スタッフより

カラフルで色鮮やかな、初めて見るたくさんのおもちゃに、みんな目を輝かせて夢中になっています。五感に働きかけるおもちゃが多くあるので、それぞれの子の好み・強みに合ったおもちゃで楽しんでいます。今後も子どもたちの成長に繋がっていくようにおもちゃを活用していきたいと思います。

子育て支援ステーションニッセ(千葉市)スタッフより

カラフルで色鮮やかな不思議な動きのおもちゃに心が踊り、素敵な音色のおもちゃにうっとりし、子どももおとなも夢中になって遊んでいます。おもちゃで遊んでいるうちに自然と、遊び方を教えあったり一緒に遊び出したり、子どもたちの輪が広がっていきます。今後もあそびのむしを活用し、「好きな遊びで夢中になる」機会を提供していきたいと思います。

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寄贈されたおもちゃで遊ぶ様子

「あそびのむし」とは?

難病の子どもと家族、専門家と厳選した世界中のおもちゃ約50点を詰め込んだセットで、難病の子どもと家族が一緒に遊び、親が子どもの成長を実感できる機会を与えることを目指します。
「あそびのむし」には「~の虫」という言葉になぞらえて、病気であろうが、なかろうが、みんなで夢中になって遊んでほしい、そんな思いが込められています。

これまでの経緯

2019年6月 日本財団と東京おもちゃ美術館で難病児向けのおもちゃセット「あそびのむし」の共同開発を開始
2020年1月 おもちゃセット「あそびのむし」が完成
2020年 10月 完成後、初となる全国への「あそびのむし」配布企画がスタート
第一弾:難病児のお母さん方が、「あそびのむし」に入れる手作り布おもちゃ約100個を制作
2020年 11月 第二弾:小茂根福祉園通所者による、手作り布おもちゃを含む約50個のおもちゃの箱詰め作業
2020年 12月 第三弾:おもちゃセット「あそびのむし」の贈呈式
2021年2月 全国の施設・病院へ配布完了
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贈呈式を皮切りに全国に配布

日本財団「難病の子どもと家族を支えるプログラム」について

全国25万以上といわれる難病の子どもとその家族が孤立しない地域づくりを目指し、「医療」「福祉」「教育」「フィランソロピー」の4領域について、「医療的ケアが必要な小児に対応する訪問看護研修」「ICTを活用した退院・復学支援事業」「外出が困難な子どもと家族向け相談カーによる訪問」等、毎年30以上のモデルとなる事業を全国規模で展開。また、「難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点」として、これまで29の拠点開設支援を決定し、2020年度までに全国に30拠点整備する予定です。

東京おもちゃ美術館について

東京おもちゃ美術館は、赤ちゃんからお年寄りまでの多世代にとって、豊かな出会いと楽しみを体感できるミュージアムです。2008年春、東京都中野区から新宿区に移転。NPO法人が運営するミュージアムとして、300名を超えるボランティアスタッフ「おもちゃ学芸員」をはじめ、地域の方など多くの方々と協力し、運営を進めています。11教室を使った豊かな空間には、世界中からやってきた美しいおもちゃ、日本の伝統的なおもちゃ、心を癒す国産の木製玩具が多数あり、実際に手に取り遊ぶことができます。