ウクライナ避難民への最新アンケート結果 4人に1人が日本に定住意向

日本財団は、18歳以上のウクライナ避難民を対象としたアンケート調査を行い、その結果を発表しました。このアンケートに回答した750人のうち、4人に1人となる24.7%の避難民が「できるだけ長く日本に滞在したい」と、定住の意向を持っていることが明らかになり、「ウクライナの状況が落ち着くまでは、しばらく日本に滞在したい」と回答した人と合わせると65.5%の避難民が長期での日本滞在を希望していることがわかりました。

日本語の能力については、51.7%が日本語の支援を受けており、前回調査(7/29発表)で19%だった、「少し話ができ、簡単な日本語のみ聞き取れる」と回答した人が、今回調査では35.7%になりました。必要な支援については、高い順に「遊び・観光」(55.9%)、「仕事の紹介、職業訓練」(39.2%)、「地域の支援団体、支援希望者とのマッチング」(36.7%)、「日本人の仲間づくり」(36.0%)となりました。この結果を受けて、笹川順平ウクライナ避難民支援室担当常務は「避難民の状況が日々変わっていくので、定点的に調査を行い必要な支援をつど見極めていきたい」と述べました。

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アンケート調査の結果を報告する日本財団常務理事の笹川順平

コメント(抜粋)

日本財団会長 笹川陽平

我々日本財団は民間の財団であり財源にも限りがありますので、避難民支援については2,000名のところで一区切りをつける予定です。しかし我々は資金を単に提供するのみならず、避難民の皆さんの生活における満足度や不満点、或いは長期滞在するのか、それとも定住なさるのか、というのも大きな関心事項であります。避難されている方々に対して日本財団が定期的に連絡をすることで、将来発生するであろうウクライナに限らず他国からの避難民・難民、移住者への対応についての貴重な経験を重ねることが出来ると考えています。

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避難民へのアンケート調査結果概要

調査概要

目的 ロシアによるウクライナ侵攻後10カ月近く経った現在の、ウクライナ避難民の日本での滞在意向、日本語教育や就労の状況、メンタルヘルスの状態や必要とする支援などを把握するために実施。
調査時期 2022年11月28日~12月12日
調査対象 当財団の支援を受けている来日ウクライナ避難民
  • 調査アンケート発出時点(11月28日)の支援決定者のうち、18歳以上が対象
回答数 750人
  • SAPジャパン株式会社およびクアルトリクス合同会社により無償提供されたウクライナ避難民支援プラットフォームを活用

調査結果抜粋

日本での滞在意向(帰国の意思、希望を教えてください)

来日ウクライナ避難民へのアンケート「日本での滞在意向」の質問についての回答。ウクライナの状況が落ち着くまでは、しばらく日本に滞在したいと答えた人は40.8%。できるだけ長く日本に滞在したいと答えた人は24.7%。日本の環境によって判断したい(日本での支援の有無や、家族呼び寄せの可否など)と答えた人は23.5%。未定、わからないと答えた人は7.9%。なるべく早く帰国したいと答えた人は2.3%。別の国に移動したいと答えた人は0.9%。

必要な支援(給付金、生活物資の提供以外で、必要な支援は何ですか)

来日ウクライナ避難民へのアンケート「必要な支援」の質問についての回答。
「遊び、観光」と答えた人は55.9%。「仕事の紹介、職業訓練」と答えた人は39.2%。「地域の支援団体、支援希望者とのマッチング」と答えた人は36.7%。「日本人の仲間づくり」と答えた人は36.0%。「日本語教育」と答えた人は27.9%。「福祉、介護、医療等の支援」と答えた人は27.1%。「ウクライナ人同士の仲間づくり」と答えた人は23.5%。「精神的サポート」と答えた人は21.1%。「生活相談ができる窓口」と答えた人は20.0%。「言語のサポート(通訳、翻訳機の貸し出しなど)」と答えた人は18.1%。「公共住宅の提供」と答えた人は7.5%。

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