深海の謎「暗黒酸素」解明へ 日本財団、英米研究機関と国際共同研究プロジェクト発足
日本財団は、光が届かない漆黒の海底で観測された未知の酸素、「暗黒酸素」の謎を解明するための国際共同研究プロジェクトを発足し、2026年1月20日、ロンドン市内で記者会見を実施しました。
「ドリー=DORI、The Nippon Foundation Dark Oxygen Research Initiative」と名付けられたこのプロジェクトは、英国の研究機関(スコットランド海洋科学協会)と米国の2大学(ノースウェスタン大学・ボストン大学)、そして日本財団が協働して、世界に先駆けて暗黒酸素の発生源を特定するとともに、深海底で採取された海水と土壌を詳しく解析するなどして暗黒酸素の発生源と生成のメカニズムを突き止めることを目指します。
「暗黒酸素」を巡ってはその存在を真っ向から否定する研究者もおり、科学の世界を二分する議論になっています。このため日本財団は2025年1月、世界で初めて「暗黒酸素」の存在を発表したスコットランド海洋科学協会と新たな研究に乗り出すことを発表しました。同協会に「暗黒酸素」の存在の有無を詳しく調べる最先端の観測装置の開発を促し、3年半以内に議論に終止符を打てる成果を出すための研究を開始させています。
今回この研究に、深海底にある鉱物や微生物の研究で世界的に知られる米国の「ノースウェスタン大学」と「ボストン大学」が新たに加わります。
既に研究を開始しているスコットランド海洋科学協会は、地球上の圧力の1,400倍の耐久性を持つランダーと呼ばれる実験装置2基を開発し、クラリオン・クリッパートン海域(CCZ)での調査の実施が今春計画されています。順調に調査が進めば、6月以降に新たに参入したノースウェスタン大学とボストン大学との協働による、研究の発展が期待されます。


関係者コメント(一部抜粋)
海野 光行(日本財団 常務理事)
「深海は、人類にとっていまだ「未知」なる世界です。その大きな可能性を責任あるかたちで「活用」し、人類に大きな恵みをもたらす豊かな海を次世代に確実に「残す」ためにも、確かな科学で、その「保全」と「利用」に取り組まなければなりません。暗黒酸素が実際に存在することがあらためて確認された場合は、深海底の生態系にとってどれほど重要なものなのかを見極めます。」
アンドリュー・スウィートマン(スコットランド海洋科学協会 教授)
「これはグローバルな研究イニシアチブであり、その影響は世界規模に及ぶものです。複数の海域において、すでに『暗黒酸素』が特定された可能性があることが判明しています。本研究が示す結果は、地球上の生命に関する最大の謎を解き明かす一助となる可能性を秘めており、非常に大きな期待を寄せています。」
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