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【調べ学習】自分のまちのバリアフリーマップを作ろう!
[対象:小学校4年生〜6年生]
電車やバスなどの公共交通機関(こうきょうこうつうきかん)、道路や建物(たてもの)など、私たちは毎日当たり前のように利用しています。
ですが、体に障害(しょうがい)のある人やお年寄(よ)り、お腹に赤ちゃんがいる人や日本語が分からない外国の人にとっては、利用(りよう)しづらかったり利用(りよう)できなかったり、危険(きけん)だったりする設備(せつび)や場所がたくさんあり、そのことを「バリア(障壁/しょうへき)」といいます。
私(わたし)たちのまちにあるいろんなバリア
例(たと)えば、バリアには次のようなものがあります。
●車いすの人や足が不自由(ふじゆう)な人にとってのバリア
- 建物(たてもの)・駅の階段(かいだん)や段差(だんさ)の上り下りが難(むずか)しい。すき間やみぞがあると前に進むのが難(むずか)しい
- トイレやせまい通路など、十分なスペースがない車いすでの移動(いどう)が難(むずか)しい
●耳が不自由(ふじゆう)な人にとってのバリア
- 音声による情報(じょうほう)が聞こえない、聞きとりにくい
- 音声による情報(じょうほう)だけでは、すぐに状況(じょうきょう)を理解(りかい)することが難(むずか)しい
●お年寄(よ)りにとってのバリア
- 案内(あんない)サインや小さな文字が読みにくい、機械(きかい)の操作(そうさ)が難(むずか)しい
- 音声による情報(じょうほう)が聞きとりにくい
●妊婦(にんぷ)さんや子ども連(づ)れにとってのバリア
- 妊娠中(にんしんちゅう)でお腹(なか)が大きくなると足元が見えにくく、階段(かいだん)や段差(だんさ)の上り下りが難(むずか)しい
- ベビーカーで利用(りよう)できない出入口や通路がある
●外国人にとってのバリア
- 日本語だけの案内(あんない)やコミュニケーションでは理解(りかい)することが難(むずか)しい
- 旅先でのホテルの予約(よやく)や、事故(じこ)や急病などの緊急時(きんきゅうじ)に困(こま)る
そのほかにも、私たちが暮(く)らすまちには、いろんなバリアがあります。インターネットや関連(かんれん)する本で調べてみましょう。
バリアフリーってなに?
そんな、まちの中にあるバリアをなくし、みんなが安心・安全に利用(りよう)できる環境(かんきょう)に整えることを「バリアフリー」といいます。
もともとは障害(しょうがい)のある人やお年寄(よ)りが社会生活を送る上でのバリアを取り除(のぞ)くという意味で使われていましたが、いまでは困(こま)りごとをかかえたあらゆる人を対象(たいしょう)とした言葉として使われています。
例(たと)えばバリアフリー設備(せつび)には次のようなものがあります。
●エレベーター
車いすの人が利用(りよう)しやすいようにボタンがある場所を低(ひく)くしたり、方向を変(か)えずにそのまま進行方向に出られるよう出入り口が別々(べつべつ)に付いてたり、工夫(くふう)されている。
●点字・線状(せんじょう)ブロック
目が不自由な(ふじゆう)人が安全に歩くために、駅や道路などには安全な道筋(みちすじ)を示(しめ)す「点字ブロック」や「線状(せんじょう)ブロック」が設置(せっち)されている。
●案内(あんない)サイン
日本語や文字が分からない人にも分かりやすく場所を案内(あんない)するために、図記号(ピクトグラム)で表示(ひょうじ)するなどの工夫(くふう)がされている。
●スロープ
車いすの人や足が不自由(ふじゆう)な人が安全に移動(いどう)できるように、段差(だんさ)などこえるためゆるやかな上り坂が設(もうけ)けられている。
●バリアフリートイレ
車いすの人や、赤ちゃんを連(つ)れた人、体の中に障害(しょうがい)のある人が利用(りよう)しやすいようさまざまな便利(べんり)な機能(きのう)がついた、広いスペースのトイレがある。
●音が流れる信号機(しんごうき)
目が不自由(ふじゆう)な人が安全に横断歩道(おうだんほどう)をわたるために、メロディが流れる信号機(しんごうき)が設置(せっち)されている。
●ノンステップバス
車いすの人や足腰(あしこし)が弱い人、妊婦(にんぷ)さんなどだれでも乗り降(お)りしやすいよう、車両の出入り口の段差(だんさ)を少なくしている。
また、バリアフリーのほかに「ユニバーサルデザイン」という言葉があります。障害(しょうがい)の有無(うむ)、年齢(ねんれい)、性別(せいべつ)、人種(じんしゅ)などにかかわらず、あらゆる人々が利用(りよう)しやすいように、まちや生活環境(せいかつかんきょう)をデザインする考え方のことを言います。
バリアフリーと合わせて、インターネットや関連(かんれん)する本で、ぜひ調べてみてください。
自分のまちを歩いてバリアフリーについて調べてみよう
バリアやバリアフリーについて基本的(きほんてき)な知識(ちしき)を身につけたら、今度は自分の足でまちを歩いて調べてみましょう。
●用意するもの
- メモ用の地図
- 筆記用具(色えんぴつ、マーカーなど)
- スマホやカメラ
- 紙(バリアフリーマップを作る用)
●調べ方
- 人通りの多い交差点(こうさてん)や、駅のまわりなど、多くの人がよく利用(りよう)する場所を選(えら)ぼう
- バリアのある場所や設備(せつび)の写真をとり、感じたことをメモ用の地図に記入しよう
バリアフリーの場所や設備(せつび)の写真をとり、感じたことをメモ用の地図に記入する
※注意:車や自転車、歩いている人に気をつけながら調べよう
バリアフリーマップを作ろう
調べたことをもとに、次のことをまとめてバリアフリーマップを作ってみましょう。
- バリアを感じた場所や設備(せつび)を「だれにとって」「どこが不便(ふべん)か、どこが危険(きけん)か」ということを、自分の感じたことといっしょに書いてみよう
- 見つけたバリアフリーの場所や設備(せつび)を「だれにとって」「どこが便利(べんり)か、安全か」ということを、自分の思ったことといっしょに書いてみよう
※バリアフリーマップの見本をダウンロード(外部リンク/PDF)できます
自由研究まとめ方の工夫(くふう)
バリアフリーマップを作成したら、次のようなポイントをまとめた用紙も作成(さくせい)し、いっしょに提出(ていしゅつ)すれば、バリアの問題について先生や友だちにさらに伝(つた)わりやすくなります。
- バリアフリーマップのタイトル
- バリアフリーマップを作るにあたって調べて分かったこと
- バリアとは何か、「場所」や「設備(せつび)」、「困(こま)る人」や「その理由」など具体的(ぐたいてき)に挙(あ)げてまとめよう。
- バリアフリーにはどんな設備(せつび)があるか、「場所」や「便利(べんり)になる人」「使い方」といったグループに分けて、まとめてみよう
- バリアに対し自分にできること
- まちで困(こま)っている人を見かけたら、どんな手助けができるかも考えてみよう
- バリアフリーがもたらす社会の変化(へんか)
- バリアフリー設備(せつび)がより増(ふ)えることで、私(わたし)たちの暮(く)らしにどのようなよいえいきょうがあるかも考えてみよう
バリアフリーについて調べるのにおすすめ!
交通バリアフリーから共生社会(きょうせいしゃかい)を考えよう(外部リンク)
私(わたし)たちは外出するときに、徒歩(とほ)やバス、電車といった方法(ほうほう)で移動(いどう)する必要が(ひつよう)あります。しかし、だれもが同じように移動(いどう)できる環境(かんきょう)や設備(せつび)が整っているわけではありません。
公益財団法人(こうえきざいだんほうじん)交通エコロジー・モビリティ財団(ざいだん)が運営(うんえい)するウェブサイトでは、さまざまな人がかかえる困(こま)りごとの種類(しゅるい)や、まちや駅、乗り物、ホームなど場所ごとに分けたバリアフリー設備(せつび)とその工夫(くふう)についてしょうかいしています。「交通」の問題から見た、だれもが平等に暮(く)らしていくことができる「共生社会(きょうせいしゃかい)」について学ぶことができます。
またみんなでいっしょに考えながら取り組めるワークショップの進め方についてもしょうかいしています。
心のバリアフリーについてみんなで考えてみよう!(外部リンク)
年齢(ねんれい)、性別(せいべつ)、国籍(こくせき)、障害(しょうがい)の有無(うむ)などにかかわらず、だれもが安心、安全に暮(く)らすことができるまちづくりを推(お)し進めるためには、場所や設備(せつび)だけでなく、全ての人が多様性(たようせい)を尊重(そんちょう)し、たがいに理解(りかい)を深めようとコミュニケーションを取り、支(ささ)え合う「心のバリアフリー」が大切になります。
東京都が運営(うんえい)するウェブサイトでは、心のバリアフリーについて分かりやすくしょうかいされているとともに、困難(こんなん)をかかえた人に対し、どのような場面で、どのような気配(きくば)りが必要(ひつよう)かをイラストや動画で分かりやすく学ぶことができます。
[出典・参考文献]
政府広報オンライン「知っていますか?街の中のバリアフリーと「心のバリアフリー」(外部リンク)
国土交通省「みんなでつくるバリアフリーマップ作成マニュアル」(外部リンク/PDF)
- ※ 掲載情報は記事作成当時のものとなります。