子どもの貧困対策モデルとして第三の居場所が全国30拠点に

写真
開会挨拶をする日本財団常務理事 笹川順平

日本財団は、2016年から子どもの貧困対策として全国各地に第三の居場所を提供しています。子どもたちが、生まれ育った家庭の経済状況や家庭環境に関わらず、未来への希望を持ち、自立する力を伸ばすことのできる機会と環境を提供することは大人の責任です。第三の居場所が、地域の子どもたちのもう一つの家になるよう、行政、NPO、大学、企業、市民の皆さんとチームを組み、取り組んできました。

2020年2月、第三の居場所を運営する団体・行政を対象とし、2019年度第三の居場所合同研修会を実施。事業全体の進捗状況、そして各拠点で子どもたちや保護者が変化していっている現場の報告と具体的な取り組みを共有しました。

モデル拠点としての確立に向けて

はじめに、子どもの貧困対策チームチームリーダー 本山勝寛からの事業進捗報告を実施。「一人の子どもの人生を変えることは、大きな価値に繋がる。さらにはその一人ひとりの成長や現場での成果を成功モデルとして社会に発信、提言していくことで、全国に拡げていきたい」とより一層の協力を語りかけました。

写真
子どもの貧困対策チーム 本山勝寛

第三の居場所は、現在北から南まで全国30カ所、準備中を含めると40カ所に広がっています。
2020年度以降、日本財団が目指すのは行政への政策提言です。そのためにまず「量的拡大」に向けて、第三の居場所拠点を全国に着実に増やしていくと同時に、利用児童数の拡大と成長した児童の成功事例を増やします。同時に、モデル拠点での効果検証を実施。有効施策を特定した上で提言し、自治体など様々なステークホルダーを巻き込み全国展開を推進します。

続いて、各拠点の好事例紹介に移りました。

今回発表したのは、うるま拠点(沖縄)、尾道拠点(広島)、尼崎拠点(兵庫)、そしての和光拠点(埼玉)の皆さん。
それぞれ食育、保護者支援、支援計画のつくり方、学習支援について事例をもとに様々な工夫点を共有しました。一人ひとりの子どもに対してスタッフがチームを組んで丁寧に向き合い、じっくり寄り添って成長を支えていくことが第三の居場所の特徴です。

写真
事例発表は、拠点の普段の様子を写した画像をたっぷり使って行われました
写真
実際に拠点で使用している食事のメニュー表やフォーマットもシェアされ、参加者はみな前のめりになって見ていました

日本財団では、各拠点同士の横の繋がりも大切に考えています。本研修のように事例共有の場を年に1回設ける他、クラウド上でノウハウや文書フォーマット等を共有。拠点の「質の向上」に取り組んでいます。

また、政府への政策提言としてエビデンスに基づいた有効施策を訴えていくため、効果検証を実施し「モデルの可視化」を進めています。

写真
積極的に質問し話を聞く、参加者の様子

各自治体と情報授受覚書を締結した上で、複数拠点・自治体のデータ統合した分析を開始していきます。

効果検証には、これまで行ってきた学力テストや非認知能力を測る質問紙調査に加えて、新たに国際的に広く使用されている「子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)」を全拠点に導入。子どもの精神的健康や適応の状態を包括的に把握し、より良い支援ができるよう四半期に一回の頻度で実施しています。

今後も日本財団は、第三の居場所づくりを通して、子どもたちが生まれ育った環境に関わらず未来に希望を持ち、自立する力を伸ばすことができるようサポートしていきます。NPOや行政としっかりと連携しながら、検証結果の共有や政策提言、さらには地域の方や寄付者の皆様のご協力をいただきながら、国民運動化につなげていくことで、貧困の連鎖を断ち切るために尽力していきます。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

取材:北川 由依

寄付の状況 2020年8月末現在
4億5,451万8,295円
日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。