【現地レポート】千葉県鋸南町、被災住宅のカビ ボランティアが除去

2019年9月に千葉県南部を襲った台風15号から数カ月になりますが、被災した住宅の復旧作業は続いています。「Kissin’ heart 東北」は台風15号の発生直後から千葉県鋸南町などで、被災住宅の補修や清掃をするボランティア活動に取り組みました。

写真:鋸南町の住宅の天井についたカビを清掃する「Kissin’ heart 東北」のメンバーの様子
雨漏りの影響で、鋸南町の住宅の天井には黒カビが繁殖しました。そのカビを丁寧に清掃する「Kissin’ heart 東北」のメンバー

台風被害を受けた住宅の復旧に向けた課題になっているのが、室内に発生するカビです。被災した住宅は、猛烈な風で屋根が吹き飛ばされたり、飛来物で損壊したりしました。屋根を補修する前に雨漏りしてしまった住宅も多く、住宅内の木材が水分を含んでしまう被害が多く発生しました。

気づきにくい住宅内の繁殖

その結果、天井や壁にカビが繁殖し、被災した住宅内の衛生環境が悪化しました。住宅を外から見るとカビが見えない場合もありますが、住宅内に入ると壁や天井にカビが生え、独特の悪臭がするそうです。「Kissin’heart東北」はそうした住宅内のカビ清掃のボランティア活動を進めています。

写真
鋸南町の家屋でカビの清掃にあたる「Kissin’ heart 東北」のメンバー

カビの清掃作業は、エタノールなどで拭き取った後に、殺菌消毒剤を散布するという、除カビと防カビの両方の作業が必要です。橋本欣明代表は「屋根の修繕に時間がかかるように、カビの除去も一軒ずつ時間がかかります」と話します。1日がかりの作業のため、ボランティアの人手も十分ではありません。

また、橋本さんは「足が不自由な一人暮らしの高齢者は、2階建ての一軒家に住んでいてもほとんど2階に行きません。このため、2階の天井や壁にカビが生えても気づかなかったり、我慢したりして暮らす人が多いです」と話します。

そこに今後の課題があると橋本さんは考えます。「梅雨の季節になれば、放置されてきたカビがさらに繁殖する可能性があります。可能な限り対応していきたいです」と話し、これからも活動を続けていく考えです。


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