新型コロナウイルス感染拡大に対応する第三の居場所

新型コロナウイルス感染拡大により、子どもたちも学校が休校になったり、居場所がなくなったりと困難に直面しています。日本財団が全国で展開する第三の居場所の各拠点では、感染症対策を強化しながら、子どもたちの安全と居場所の確保を両立させられるよう、取り組みを続けています。

写真
手洗い場。普段より手洗いを励行しているが、今はより丁寧に行っている

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて

3月2日からの一斉臨時休校、4月7日の非常事態宣言、近隣地域での感染状況等、第三の居場所は目まぐるしく変わる状況に速やかに対応していくことが求められてきました。
一斉臨時休校後、一部の拠点では午前中より児童の受け入れを開始しました。第三の居場所の利用者はひとり親家庭や経済的に課題がある世帯が多く、仕事を休んだり親族を頼ったりすることが困難な状況にあります。そのような中、保護者からは「ここ(第三の居場所)があって本当に助かった。いつも通り仕事に行くことができる」と、第三の居場所を頼っていただいています。
非常事態宣言以降は、同宣言の対象地域にある拠点を中心に、自治体の方針によって登所自粛を案内しているところもあります。但し完全に閉じてしまうのではなく、日中保護者が家にいなかったり、家で過ごすことに困難な事情がある家庭には継続して受け入れを行っています。

子どもたちへの影響は正負両面

第三の居場所に通うにせよ、登所自粛して自宅にいるにせよ、休校により子どもたちの生活リズムや学習リズムの乱れが見えてきています。第三の居場所を利用する子どもは小学校1~3年生が中心のため、ようやく身についてきた学習リズムが崩れないように、特に午前中は学習に重きを置いて対応する拠点もあります。
ところが休校は負の影響ばかりではありません。不登校気味で学校に行けないことに引け目を感じていた子にとって、今は引け目がなくなり明るくなりました。また、第三の居場所のスタッフにとっては、特に気懸かりな子どもに丁寧に寄り添える時間を多く持つことができるようにもなりました。
各拠点で地域の実状にあわせて対応をしていますが、休校が長期化される中で懸念されるのは休校明けの対応です。長期休校による生活・学習リズムの乱れ、再開した学校やクラスにスムーズに溶け込めないなど、第三の居場所を利用する子どもならではの課題が顕在化することが予想されます。

写真
第三の居場所でのスケジュールが書かれたホワイトボード(休校前)

第三の居場所を継続するうえでの課題

第三の居場所を継続して運営することへの課題もあります。安全とスタッフの負担です。マスクや消毒アルコール等の物資が不足しており、限られた在庫をやり繰りしながら、ウイルスを拠点内に持ち込まないよう取り組んでいます。また、登所する子どもや保護者の検温や設備の消毒、換気など、これまでと比較してひとつひとつの作業や気を使うことが多くなりました。更に午前中からの開所により労働時間や仕事が増え、スタッフの負担になってきています。
一方で第三の居場所へのご支援もいただいています。ソニー株式会社と中国無錫市より、マスク2,000枚を支援いただきました。また、ソニー株式会社からはIoTプログラミングブロック「MESH™」も無償貸し出ししていただき、拠点で児童がプログラミングに熱中しています。

写真
ソニー株式会社と中国無錫市より寄贈された2,000枚のマスク

身近に頼れる存在があることで、負の影響を抑える

第三の居場所の運営は厳しい状況ではありますが、特別な事情のある子どもたちが安全に過ごすことができ、保護者が安心して働くために、今なくてはならない「場所」です。子どもたちとスタッフの安全に最大限配慮し、可能な範囲で活動を継続していく予定です。
今回の新型コロナウイルス感染拡大により見えてきたのは、不安定な社会情勢・環境変化の中でも頼れる存在が身近にあることで、より影響を受けやすい人々への負の影響を少しでも抑えているということです。生活、学習、食事、仕事など、様々な影響があります。しかしながらこれは新型コロナウイルス感染拡大に限ったことではありません。困っている時に頼れる存在としての「第三の居場所」をより多くの地域につくっていけるよう、皆様のご支援をお借りしながら、継続して取り組んでまいります。

日本財団 子どもの貧困対策チーム 飯澤幸世

寄付の状況 2020年7月末現在
4億5,024万3,471円
日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。