平成28年熊本地震への支援

写真:被災した熊本城の様子

2016年4月14日以降に相次いで発生した熊本県を震源とする一連の大地震は、熊本市内を中心に、九州全域に大きな被害をもたらしました。
日本財団では、地震発生直後からすぐに支援を決定し、復旧・復興支援に貢献できるように活動を続けてきました。これまでご支援いただいた皆さまのご厚意に心より感謝申し上げます。

表紙
「平成28年熊本地震1年間の活動記録」の表紙
動画「平成28年熊本地震支援活動のご報告」のワンシーン。画面に「2016年4月14日・16日熊本地震発生」の文字。
外部サイト平成28年熊本地震支援活動のご報告

1.支援事業

平成28年熊本地震の被災地域に対し、総額127億円の支援を行っています。

(1)緊急対策支援

緊急度の高い支援として、避難所や自宅で避難生活を続けている障害者や高齢者、乳幼児などの特別な配慮が必要な人に対するニーズ調査・支援に加え、災害ボランティアセンターを立ち上げた社会福祉協議会への支援等を実施しました。

平成28年熊本地震災害に関わる緊急対策支援事業一覧

(2)NPO・ボランティア活動支援

地震直後から全国の皆さまからお預かりした寄付金を活用し、熊本県、大分県の被災地で活動するNPOやボランティア団体が緊急支援活動を行うために必要な経費を支援しました。2016年8月1日までに318団体347事業に対し寄付金総額3億1,985万円の助成を決定し、地震直後から2017年3月末まで支援しました。

平成28年熊本地震災害に関わる支援活動助成 決定先一覧

(3)弔慰金・住宅損壊見舞金の支給

震災で亡くなられた221名のご遺族・ご親族に一人あたり10万円、計2,210万円の弔慰金を支給しました。また、住まわれている住宅が全壊・大規模半壊の被害に遭われた23,818世帯に対して、一世帯あたり20万円、計47億6,360万円の住宅損壊見舞金を支給しました。

  • 弔慰金・見舞金ともに2017年3月31日までに申請をいただいた方に対して支給しています。

(4)住宅・事業再建のための金融支援制度(わがまち基金)

熊本県、大分県、それぞれと締結した「平成28年熊本地震」に係る災害支援合意に基づき、住宅が損壊して住めなくなった被災者が住宅を再建・購入する際や、被災した事業者が事業を再開・再建する際に、それぞれ必要となる資金を指定の金融機関から借り入れる時の負担を軽減することを目的とした制度として「わがまち基金」を創設しました。2016年11月29日に、住環境整備の一環として、益城町テクノ仮設団地に「みんなの東屋」が完成したほか、「日本財団みんなの家」第一弾として9団地(阿蘇市、御船町等6自治体)の建設を決定(完工は2017年4月以降)。また、住宅再建支援の第1期(2016年度分)として、熊本県では199件1億7,042万円、大分県では66件4,251万9,000円を決定しました。

(5)熊本城再建のための支援

熊本城の復旧は、復興のシンボルでもあると考え、いち早く30億円の支援を決定しました。その後、約1年をかけて熊本県・熊本市と協議し、天守閣内展示施設の再建、「しゃちほこ」の復元・製作など6年で合計30億2,505万円を支援することを決定しました。(2017年4月10日発表)

(6)「日本財団災害復興支援センター 熊本本部」の開設

NPOやボランティア、企業等の民間団体の復旧・復興活動が、行政との連携により円滑に実行できるよう、必要な支援を、より現場に寄りそった形で行う常設の事務所を2016年4月26日に開設しました。NPO、ボランティア団体の連携・情報交換のために役立てていただき、会議・イベントスペース等として1年を通して延べ約5,000人にご活用いただき、2017年5月7日に閉所しました。

(7)企業からの事業指定寄付等による事業

  1. 「復興応援 キリン絆プロジェクト」熊本支援
    2016年12月21日、熊本県、キリングループ、日本財団の3者による包括支援協定を締結し、この協定の下、キリングループからの寄付による基金を設置し、キリングループが掲げる「絆を育む」をテーマに、「食産業復興支援」「地域の活性化支援」「心と身体の元気サポート」という3つの幹で地域に寄り添い、復興から未来へつながる活動の支援を推進しています。また、熊本県の「平成28年熊本地震からの復旧・復興プラン」とも連携し、行政、民間企業、公益財団法人が一体となり、より包括的かつ、きめ細やかな支援の実現を目指します。
    お知らせ:<熊本地震支援>「復興応援 キリン絆プロジェクト」
  2. 中高生学習・キャリア支援 「ましき夢創塾」
    2016年11月、フィリップ モリス ジャパン合同会社からの支援金を活用し、東日本大震災の被災地でも子どもたちの学習支援を行ってきた(認特)カタリバへの支援を決定しました。カタリバは、熊本県益城町の2つの中学校とテクノ団地仮設の集会所で、子どもたちの居場所づくりをしています。また、中学校が実施している職業体験等の様々な学校行事を先生と一緒に検討したり、東北の被災地の中高生との交流の場を設けたり、益城町の中高生が将来を考える上でのきっかけづくりも行っています。
  3. 復興におけるコミュニティ支援
    発災から1年が経過し、被災者の生活の場も避難所や在宅避難の状況から、仮設住宅団地等へ移りました。復興期においても具体的なニーズ調査を実施し、生活再建に向けて仮設住宅団地内のコミュニティ形成支援や、復興まちづくり(区画整備事業等)への住民の主体的な関わりの支援を行っています。ジョンソン・エンド・ジョンソン社会貢献委員会からの支援金で、「仮設住宅団地でのコミュニティ支援」と「復興まちづくりでの支援」の2つの軸で、被災地の復興に臨む地元の団体の支援を実施していく予定です。

(8)被災した社会福祉施設等への支援

日本財団の助成を受けて施設を整備した法人を対象に、地震により被災した建物の復旧および事業再開のための支援として、熊本県、大分県、および福岡県にて15件、計3億656万円の事業を決定しました。

(9)被災した小中学生への復興イベントの実施

困難な生活状況の中、通学を続けている子どもたちが夏の楽しい思い出をつくれるように、県内の被災した小中学生を優先に招待し、4つのクルーズイベントを県内および周辺で開催しました。普段体験できない帆船のクルーズ体験、海上からの花火見物、大型フェリーでの宿泊等、様々なタイプの海洋イベントに延べ1,256名が参加しました。

(10)学生ボランティアの派遣事業

学生ボランティア育成に取り組んでいる日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo)へ助成して、博多、新大阪、仙台の3カ所から延べ197名の学生ボランティアを派遣しました。被災家屋からの家財道具や農機具の搬出、瓦の片付け、土嚢設置、ニーズ調査等多岐にわたる活動を行いました。

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