広尾東公園トイレ(デザイン:後智仁氏)がオープン日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト

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後智仁氏がデザインした広尾東公園トイレ

日本財団は、誰もが快適に利用できる公共トイレを渋谷区内17カ所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を実施しています。このたび、13カ所目となる広尾東公園トイレ(デザイン:後智仁氏)を設置しました。

「THE TOKYO TOILET」は、渋谷区内17カ所のトイレを、性別、年齢、障害を問わず誰もが快適に利用できる公共トイレに生まれ変わらせ、多様性を受け入れる社会の実現を目指す、日本財団のプロジェクトです。トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴である一方、多くの公共トイレが「暗い」「汚い」「臭い」「怖い」といった理由で利用者が限られてしまっています。本プロジェクトで設置する各トイレは、建築家の隈研吾氏、伊東豊雄氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏など国内外のクリエイターによってデザインされており、優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信しています。今回オープンした広尾東公園トイレ(渋谷区広尾4-2-27)は7月22日(金)より一般利用が開始しています。

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多くの緑に囲まれた公園内の広尾東公園トイレ(撮影:永禮賢)
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世界人口と同じ79億通りのライティングパターンの照明(撮影:永禮賢)

クリエイター 後智仁氏から

コメント

初めて聞いた時から面白そうで、意義のある、今までにない建築のプロジェクトになるだろうなぁと思いました。その後、コンセプトを作る作業をお手伝いさせていただき、ますますとんでもないプロジェクトになるなと実感し、興奮しました。これだけのメンバーの中で、同じ目的、社会的意義を持って表現できることを本当に幸せに感じます。少しでも多くの人がストレスなくトイレを使用してもらえると嬉しいです。僕は、作るところまでしかできないので、この後は、使用いただく方々によって育てられていくトイレであり、プロジェクトなんだと思います。皆さま、このトイレたちをよろしくお願いいたします。

広尾東公園トイレコンセプト【Monumentum】

今回のプロジェクトの元となった「人は、みんな違うという意味で、同じである。」という思いを表現するトイレを作りたいと思いました。安全、安心、清潔はもちろん、全ての人に優しいトイレにしたい。多くの人の生活と多くの緑に囲まれた公園内ということもあって、パブリックアートの様に生活の中にありながら、人に常に何か問いかけてくる様な存在。このプロジェクトの意義を人に問い続けるモニュメントのようなトイレになったらいいなぁと思っています。世界人口と同じ79億通りのライティングパターンが、昼は木漏れ日の様に、夜は月明かりや漂う蛍のように変化し続け、二度と同じパターンを見ることはないでしょう。

後智仁氏プロフィール

1971年東京生まれ。91年武蔵野美術大学短期大学グラフィック科入学、同大学視覚伝達デザイン学科編入。95年博報堂入社。2008年WHITE DESIGN設立。
主な仕事に、ユニクロ・サスティナビリティ部門担当クリエイティブディレクター、atama plus株式会社ブランド戦略顧問、大阪経済大学人間科学部客員教授。 ファーストリテイリング・サステネナビリティーレポート、ユニクロ「ドラえもん・サステナモード」、Tシャツ購入でドネーションができる、UT「THE PEACE FOR ALL」。キリン「Tap Marche」など。
近年は、広告やブランディングにとどまらず、ファッション、建築、ディスプレイ、アートと活動の場を広げている。

写真:後智仁氏