難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点「HALEたちばな」を宮崎県に開設
宮崎県初、全国27拠点目
医療的ケア児・重症心身障害児とその家族をサポート

日本財団は、難病の子どもと家族の孤立を防ぐための施設「地域連携ハブ拠点」を設置・支援しています。本日、2021年10月1日に、全国27拠点目、宮崎県内初となる「HALE(ハレ)たちばな」を開所しました。
「HALEたちばな」は、訪問診療所・訪問看護ステーション・短期入所・日中一時支援・研究室・カフェを併設する総合的な施設です。

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開所式当日の様子
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集合写真

「HALEたちばな」設置の背景

宮崎県には小児在宅医療を標榜している医療機関が非常に少なく、小児在宅看取りもほとんど行われていません。医療的ケア児※1や重度心身障害児に関する対策はまだ十分とは言えず、預けられる施設も限られていることから、親がつきっきりで療育しているケースが多数あり、宮崎市総合発達支援センターの2019年度調査結果によれば、母親の有職率が10%に満たないなど、日常生活やきょうだい児※2の教育にも影響が出ている実態があります。
このような現状に直面する家族に寄り添うべく設立された「HALEたちばな」は、通所のほか宿泊可能なショートステイ施設として利用でき、ご家族が安心して子どもを預けられる場所を目指しています。また、多機能型拠点として以下施設を併設します。

  • 1 たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが日常的に必要な状態にある障害児や重症心身障害児
  • 2 病気や障害を抱える兄弟姉妹を持つ子どものこと

訪問看護ステーションぱりおん

医師の指示によりステーションに常駐する訪問看護師が、自宅に訪問し子どもから大人まで年齢を問わず、在宅での療養生活を支えます。

写真:訪問看護ステーションぱりおん

みつばち診療所

訪問診療の拠点として、常駐する医師が在宅での定期診療や必要な医療的ケアを提供します。
開設後しばらくは予約制の外来診療も行う予定です。

写真:みつばち診療所

短期入所leilei(レイレイ)・日中一時支援ohana(オハナ)

小児を中心とした短期入所施設「leilei」と日中一時支援施設「ohana」を開設します。「leilei」は5人、「ohana」は10人までの定員制で、安心できる手厚いケアを目指すとともに、ご家族への休息の時間を提供します。

写真:短期入所leilei(レイレイ)・日中一時支援ohana(オハナ)
leilei内観

研修ルームたちばな学舎・カフェ游椿(ゆうちん)

宮崎大学地域医療・総合診療医学講座と連携し、医学部の学生やクリニックの医師を対象に「まちなか」で在宅医療を学べる場所として、研修ルーム「たちばな学舎」を開設します。また、研修に使用しない日や時間帯には、カルチャー教室やイベントルームとして地域住民にも使っていただける部屋として活用予定です。
カフェ「游椿(ゆうちん)」は、吸引専用の部屋や多目的トイレも備え、誰でも利用できるコミュニティカフェとしてオープンします。

写真:研修ルームたちばな学舎・カフェ游椿(ゆうちん)
カフェ游椿内観

施設概要

所在地 宮崎県宮崎市橘通東3丁目1-31
開設時間 診療所 月〜金 9:00〜12:00、13:00〜18:00
短期入所 木〜月 9:00〜翌8:00
日中一時支援 月〜金 9:00〜18:00
対象者 医療的ケア児、重度心身障害児(者)、医学生(研修室)、一般市民(研修室・カフェ)
スタッフ 医師、看護師、介護士、保育士、事務員
活動内容 短期入所、日中一時支援、在宅療養支援診療所、研修、コミュニティカフェ等
運営団体 認定特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎
敷地面積 589.24㎡(延床面積 439.32㎡)
設備仕様 短期入所、日中一時支援、研修・実習室、カフェスペース、診察室、相談支援スペース等
コンセプト 医療的ケア児・重度心身障害児への医療的ケアを提供し、本人や家族の社会とのつながりをサポートする拠点とする。また、宮崎大学と連携した「まちなか」での医療人材育成拠点としても機能する総合支援施設を目指す。

ホームホスピス宮崎代表 市原美穂氏より

「宮崎をホスピスに」という合言葉で活動して22年が経ちました。がんになっても認知症になっても、その人らしい生を全うできるまちづくりです。2004年に始まった「ホームホスピスかあさんの家」の実践は、現在全国62カ所に展開しています。
その間増えてきたのは医療的ケアを必要とする子ども達でした。宮崎では医療的ケア児とその家族を支援する体制が不足していました。誕生から人生の幕を閉じるその時まで、0歳から100歳まで切れ目のないケアの仕組みをつくりたいと、「HALEたちばな」を開設します。HALEとはハワイ語で大きな家という意味です。障害があってもなくても、共に生きていける社会を目指して、その拠点になることを目指しています。

「難病の子どもと家族を支えるプログラム」について

全国25万人以上といわれる難病の子どもとその家族が孤立しない地域づくりを目指し、「医療」「福祉」「教育」「フィランソロピー」の4領域について、「医療的ケアが必要な小児に対応する訪問看護研修」「ICTを活用した退院・復学支援事業」「外出が困難な子どもと家族向け相談カーによる訪問」等、毎年30以上のモデルとなる事業を全国規模で展開。当施設は、27番目の「難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点」として誕生しました。

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