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【工作】海洋プラスチックごみで自分だけのアート作品を作ろう!
[対象:小学校1年生~3年生]
いま、海の環境汚染(かんきょうおせん)が大きな問題になっています。その原因(げんいん)の1つが、私(わたし)たちが生活の中で出したプラスチックごみです。その多くが、川を伝(つた)って海に流れ出ることで、海の生き物たちが命の危険(きけん)にさらされています。
この自由研究では、海洋プラスチックごみ問題について調べると共(とも)に、海で拾ってきたプラスチックごみを使って、世界に1つのアート作品づくりにチャレンジしてみましょう。
教えてくれる先生
しばたみなみさん
子どものころから図工や美術(びじゅつ)など物を作る時間が大好(す)きだったというしばたさん。2013年からアーティストとして創作(そうさく)活動も始め、国内外で個展(こてん)やグループ展(てん)を開催(かいさい)。2017年より地元である福岡(ふくおか)に作業場を構(かま)え、地元の海を中心に環境(かんきょう)活動に取り組みながらプラスチックごみを使ったアート作品を作り続(つづ)けています。
しばたみなみさん 公式サイト(外部リンク)
海洋プラスチックごみ問題について調べてみよう
●海洋プラスチックごみ問題はなぜ起きる?
私(わたし)たちの暮(く)らしの中には、ビニールぶくろやペットボトル、使い捨(す)て食器(しょっき)など、たくさんのプラスチックがあふれています。
生活を豊(ゆた)かに便利(べんり)にしてくれる一方で、まちの中でポイ捨てされたり、放置(ほうち)されたり、きちんと捨てられなかったたくさんのごみが海に流出。海を汚(よご)し、海の生き物たちに悪いえいきょうをあたえてしまっているのです。
●海の生き物たちへのえいきょう
海に流出したビニールぶくろをクジラや海鳥がまちがって食べたり、プラスチックでできたあみがウミガメや魚の体にからまったりするなどして、死んでしまったり傷(きず)ついてしまったりする例(れい)が、世界ではたくさん報告(ほうこく)されています。
このままでは、2050年には魚や貝などの海の生き物たちよりも、プラスチックごみの方が多くなるといわれています。
図書館へ出かけたり、インターネットを活用したり、海洋プラスチックごみについて調べて、自分にできることは何か、考えてみましょう。
プラスチックごみを拾いに、海へ出かけよう
海洋プラスチックごみの問題について基本的(きほんてき)な知識(ちしき)を身につけたら、次に、少しでもプラスチックごみを減(へ)らせるよう、アート作品の材料(ざいりょう)を拾いに、海へ出かけてみましょう。
●用意するもの
- トング、火ばさみ。なければ、割(わ)りばしでもOK
- ごみを入れるためのふくろ
- 足を守ってくれるくつ。サンダルはNG
- 水筒(すいとう)、帽子(ぼうし)などの熱中症対策(ねっちゅうしょうたいさく)
●海に行くとき、ごみを拾うときに注意すること
- 必(かなら)ず大人といっしょに出かける
- 帽子(ぼうし)をかぶる、水分をこまめに取るなど、熱中症(ねっちゅうしょう)に気をつける
- 波が高いところ、人目につきにくいところ、潮(しお)が満(み)ちて足場がなくなりそうな場所には近づかない
- ごみはトングや火ばさみ、割(わ)りばしなどを使って拾い、直接(ちょくせつ)手ではさわらない
- 中に液体(えきたい)が入っているごみやスプレー缶(かん)、水分をふくんだ布などは危(あぶ)なかったり、汚(よご)れたりしやすいので、拾わないようにする。区役所や市役所などで回収(かいしゅう)してくれることが多いので、大人に問い合わせてもらう
- 砂浜(すなはま)の中にとがった物や、つりばりなど危険(きけん)なものがかくれている場合もあるので、足元に注意しながら歩く
また、ごみを拾うだけでなく、磯(いそ)や砂浜(すなはま)にどんな生き物がいるのか観察(かんさつ)してみましょう。生き物が暮(く)らす海をきれいにしたいという気持ちになったり、海洋プラスチックごみの問題をもっと身近に感じたりできるかもしれません。
拾ったごみを分類(ぶんるい)しよう
プラスチックごみを家に持ち帰ったら、作品を作りやすくするために分類(ぶんるい)しましょう。
そのとき、もしごみに商品ラベルがついていたら、どんな文字が書かれているか調べてみてください。海外から流れ着いたものも発見できるかもしれません。日本が世界とつながっていることが感じられることでしょう。
●手順
- 捨(す)てるごみ、作品作りに使うごみに分ける
- 作品作りに使うごみは、水洗(みずあら)いする。ごみからにおいがしたり、汚(よご)れていたりすることもあるので、洗剤(せんざい)や重曹(じゅうそう)など使ってしっかり洗う
- 洗ったごみは太陽の光に当ててかわかす
- ごみは色や形、素材(そざい)ごとなど、自分が使いやすいように分ける
世界に1つのアート作品を作ろう
準備(じゅんび)ができたら、いよいよアート作品作りにチャレンジしてみましょう。作り方にルールはありません。「このキャップは目玉に使える?」「このかけらはウロコに見えるかな?」など、イメージをふくらませながら作ってみてください。
●用意する道具や工具
- ボンド
- セロテープ
- ビニールテープ
- はさみ
- プラスチックごみをはる台紙(がようし、ダンボール、空きばこなど)
など
●あると便利(べんり)なもの
- グルーガン:プラスチックを熱(ねつ)でとかし、材料(ざいりょう)と材料(ざいりょう)をくっつけるもの。立体的(りったいてき)なものや大きな物をつけるのに役立つ
- 針金(はりがね)とペンチ:物と物をまとめることができる
今回、しばたさんには1つの例(れい)として魚をモチーフにした作品を作ってもらいました。
●用意する材料
- 左上:海で拾ったプラスチックごみ
- 右上:かんしょう材(ざい)(※)
- 右下:作品をはりつける台紙とカラーペン
- 左下:お菓子(かし)のパッケージやあまった紙など
- ※ しょうげきをやわらげるもので、こわれやすいものを守るために使う
プラスチックごみ以外(いがい)の材料(ざいりょう)は、自分が作りたいものに合わせて用意しましょう。
●制作の手順(てじゅん)
[1]魚の体(形)になるように紙をはさみで切り、セロテープで台紙にはります。カラーペンでかんしょう材(ざい)に黒目を書き、ボンドで魚の体にはりつけます。
[2]プラスチックごみを使って魚のパーツを作ります。今回は水色のブイ(※)で口を、黄色のあみを針金(はりがね)でまとめてはりつけ、魚のウロコを表現(ひょうげん)。立体的(りったいてき)なものをはりつけるときは、ボンドやグルーガンを使うのがおすすめです。
- ※ 海にうかべる目印(めじるし)
[3]プラスチックごみを使ってかざりつけたり、カラーペンを使って書きこんだり、アイデアをふくらませながら作品を完成(かんせい)させましょう。
出来上がった作品はフレーム(がくぶち)に入れると、さらに引き立ちます。
自由研究まとめ方の工夫
アート作品は、次のようなポイントをまとめた用紙も作成(さくせい)し、いっしょに提出(ていしゅつ)すれば、海洋プラスチックごみの問題について、先生や友だちにさらに伝(つた)わりやすくなります。
- 作品タイトル
- アピールポイント
- とくにこだわったパーツやかざり、工夫(くふう)した点などみんなに見てほしい部分をまとめよう
- 使ったプラスチックごみの種類(しゅるい)
- ごみが何に使われていたものか、どこの国から流れてきたものかなど、分類(ぶんるい)したときに分かったことや発見したことをまとめよう
- 海洋プラスチックのことを調べて分かったこと
- 海にどれくらいのプラスチックごみが流出し、海の生き物たちにどのようなえいきょうをあたえているか、まとめてみよう
- 自分たちにできること
- これ以上(いじょう)海を汚(よご)さないために、私(わたし)たち一人一人がどのような生活を送ればよいか、考えてまとめてみよう
イベントに参加して学びを深めよう
日本財団(にっぽんざいだん)では、子どもたちを中心に海への関心(かんしん)を高め、海に起きているさまざまな問題を解決(かいけつ)するために「海と日本プロジェクト」に取り組んでいます。
公式サイトでは、海洋プラスチックごみ問題をはじめ、実際(じっさい)に参加して学びを深めることができる全国のイベント情報(じょうほう)を発信(はっしん)しているので、ぜひチェックしてみてください。
海と日本プロジェクト 公式サイト イベント情報(外部リンク)
- ※ 掲載情報は記事作成当時のものとなります。