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【調べ学習】自分のまちの防災マップを作ろう!

イラスト:防災マップを作るために自分が住む街を歩きまわる子ども
地震(じしん)や水害(すいがい)に備(そな)えて、自分のまちの防災(ぼうさい)について調べよう

[対象:小学校4年生〜6年生]

いま日本で台風や大雨などの自然災害(しぜんさいがい)が増(ふ)えています。

つい最近(さいきん)も、2024年7月25日から東北地方を中心に降(ふ)り続(つづ)いた大雨により、秋田県、山形県、栃木(とちぎ)県、新潟(にいがた)県の4県で被害(ひがい)が発生。特(とく)に被害(ひがい)の大きかった山形県、新潟(にいがた)県では、洪水(こうずい)や土砂(どしゃ)くずれなどにより多くの家がこわれ、死者、行方不明(ゆくえふめい)者、けが人なども出ました。

また日本は、世界でも地震(じしん)が多い国で、年に1,000~2,000回も発生。2024年のお正月に起きた能登半島地震(のとはんとうじしん)では最大震度(さいだいしんど)7を記録(きろく)し、多くの人の命が失(うしな)われたことを覚(おぼ)えている人も多いのではないでしょうか。

今後も、南海トラフ地震(じしん)や、首都直下地震(しゅとちょっか)など、近い将来(しょうらい)発生する可能性(かのうせい)が高いといわれる大きな地震(じしん)が数多くあります。

自然災害(しぜんさいがい)が起こらないようにするのは難(むずか)しいため、自分や家族の命を守れるように、日頃(ひごろ)から備(そな)えておくことが大切です。

イメージ:地震で全壊した民家
イメージ:大雨で水没した町

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もしも自分のまちで災害(さいがい)が起きたら?

日頃(ひごろ)からできる備(そな)えとして、自分が暮(く)らす家やまちが、災害(さいがい)が起きたときにどんな被害(ひがい)が発生する可能性(かのうせい)があるか、調べておくことが大切です。

●災害(さいがい)のえいきょうが分かる「ハザードマップ」

その方法(ほうほう)の1つとして、国や自治体(じちたい)が公開している「ハザードマップ」があります。

「地震」(じしん)「洪水(こうずい)」「土砂災害(どしゃさいがい)」「津波(つなみ)」「火山」などの災害(さいがい)の種類(しゅるい)ごとに、自分が住んでいる家や、通っている学校、よく遊ぶ公園、よく歩く道などに、どんなえいきょうがあるかを、地図を使って確認(かくにん)することができます。

この「ハザードマップ」は、自分が暮(く)らすまちの役所や役場でもらうことができます。

また、国土交通省(こくどこうつうしょう)が提供(ていきょう)する「ハザードマップポータルサイト」内にある「重ねるハザードマップ」では、災害(さいがい)ごとの被害予測(ひがいよそく)とともに、その土地の特徴(とくちょう)や成(な)り立ち、昔起きた自然災害(しぜんさいがい)の歴史(れきし)を伝(つた)える史跡(しせき)の場所や情報(じゅうほう)も知ることができるので、ぜひ確認してみてください。

国土交通省(こくどこうつうしょう)「ハザードマップポータルサイト」(外部リンク)

「ハザードマップポータルサイト」内にある「重ねるハザードマップ」

●命を守る避難場所(ひなんばしょ)や避難所(ひなんじょ)

大きな災害(さいがい)が発生したときに、身を守るために一時的(てき)ににげこむ「避難場所(ひなんばしょ)」。主に大きな公園や学校の校庭などが指定されています。

一方で、災害(さいがい)時に家で生活することが難(むずか)しくなった場合に、一定の期間、生活を送る場所が「避難所(ひなじょ)」。学校や公民館(こうみかん)などに設(もう)けられます。

避難場所(ひなんばしょ)や避難所(ひなんじょ)の情報(じょうほう)は、役所や役場でもらえる「防災(ぼうさい)マップ」、自治体(じちたい)のサイトなどで確認(かくにん)できるので、チェックしておきましょう。

●命をつなぐ災害時給水所(さいがいじきゅうすいじょ)

大きな地震(じしん)や台風、大雨といった水害(すいがい)で電気やガスといったライフラインが止まったとき、もっとも困(こま)るのが水の問題です。

役所や役場でもらえる「防災(ぼうさい)マップ」や、自治体(じちたい)や水道局のサイトには災害(さいがい)時に水道が止まったときにだれもが飲み水をもらえる場所「災害時給水所(さいがいじきゅうすいじょ)」の情報(じょうほう)が掲載(けいさい)されています。

イメージ:災害時給水所
各(かく)市町村には、大きな災害(さいがい)が発生したときに飲み水をもらえる拠点(きょてん)が設(もう)けられている

また、自治体(じちたい)によっては災害(さいがい)が起きたときにトイレや飲み水、休憩(きゅうけい)場所を提供(ていきょう)してくれる「災害時帰宅支援(さいがいじきたくしえん)ステーション」という、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどが開放される施設(しせつ)の情報(じょうほう)も公開しています。

いざというときのために、ぜひチェックしておきましょう。

「災害時帰宅支援(さいがいじきたくしえん)ステーション」のステッカー。対象(たいしょう)のお店にはこのステッカーがはられている
東京防災(とうきょうぼうさい)マップ(外部リンク)では「災害時帰宅支援(さいがいじきたくしえん)ステーション」も検索(けんさく)することができる
 

自分のまちを歩いて防災(ぼうさい)について調べてみよう

自分のまちの災害(さいがい)に関(かん)する情報(じょうほう)を調べたら、近くにある避難場所(ひなんばしょ)や避難所(ひなんじょ)がどこにあるか、自分の家や、じゅくや公園といったふだんよくいる場所からの避難(ひなん)する道順(みちじゅん)を、実際(じっさい)に歩いて調べてみましょう。

●用意するもの

  • メモ用の地図。避難場所(ひなんばしょ)、給水(きゅうすい)スポット、自然災害(しぜんさいがい)の歴史(れきし)を伝(つた)える史跡(しせき)などを書きこむためのもの
  • 筆記用具。色えんぴつ、マーカーなど
  • スマホやカメラ
  • 紙。防災(ぼうさい)マップを作る用

●調べ方

  1. 避難場所(ひなんばしょ)までの道順(みちじゅん)を調べるとき、目印(めじるし)となる場所や看板(かんばん)の写真をとり、メモ用の地図に記入しよう
  2. 避難場所(ひなんばしょ)までの道順(みちじゅん)を調べたときに感じた危険(きけん)だと思う場所の写真をとり、メモ用の地図に記入しよう。(たと)えば、地震(じしん)ならブロックべいや電柱などくずれたり、たおれたりするようなものがないか、洪水(こうずい)なら川があふれたりする可能性(かのうせい)はないかなど
  3. 災害時給水所(さいがいじきゅうすいしょ)や、災害時帰宅支援(さいがいじきたくしえん)ステーションの場所も、実際(じっさい)に歩いて場所を確認(かくにん)し、写真をとろう
  4. 自分のまちに自然災害(しぜんさいがい)の歴史(れきし)を伝(つた)える史跡(しせき)がある場合は、その場所に行って写真をとり、どのような原因(げんいん)で起きたのか確認(かくにん)しメモしよう。まちの図書館や公民館(こうみんかん)に災害(さいがい)に関(かん)する資料(しりょう)がある場合もあるので、問い合わせみよう

※注意:車や自転車、歩いている人に気をつけながら調べよう

防災(ぼうさい)マップを作ろう

調べたことをもとに、オリジナルの防災マップを作ってみましょう。

その際(さい)に、家族が離(はな)れた場所で災害(さいがい)が起きた場合の避難場所(ひなんばしょ)や避難所(ひなんじょ)を事前に決めて、マップに記入しておきましょう。

避難場所(ひなんばしょ)や避難所(ひなんじょ)は、混(こ)み合うことも予想(よそう)されるため、「○○小学校の体育館の入り口横」といった具体的(ぐたいてき)な待ち合わせ場所や、どれくらいの時間待つかなどのルールを決めておくと安心です。

防災(ぼうさい)マップの見本

※防災(ぼうさい)マップの見本をダウンロード(外部リンク/PDF)できます

自由研究まとめ方の工夫(くふう)

防災(ぼうさい)マップを作ったら、次のようなポイントをまとめた用紙も作成(さくせい)し、いっしょに提出(ていしゅつ)すれば、災害(さいがい)の問題について先生や友だちにさらに伝(つた)わりやすくなります。

  1. 防災(ぼうさい)マップのタイトル
  2. 防災(ぼうさい)マップを作るにあたって調べて分かったこと
    • ハザードマップとは何か、その役割(やくわり)についてまとめよう
    • 災害(さいがい)の種類(しゅるい)に対し、どのような被害(ひがい)が予測(よそく)されるかまとめよう
    • 災害(さいがい)の種類(しゅるい)に対し、どこの避難場所(ひばんばしょ)や避難所(ひなんじょ)に行くのが安全か、その理由といっしょにまとめよう
    • 自分のまちに昔どのような災害(さいがい)が起こり、被害(ひがい)があったか、その原因(げんいん)とともにまとめよう
  3. 災害が起きる前にできること
    • 防災(ぼうさい)グッズの準備(じゅんび)、災害(さいがい)が起きたときの行動や、避難場所(ひなんばしょ)や避難所(ひなんじょ)までの道順(みちじゅん)の確認(かくにん)、家族とのルール作りなど、自分や家族の命を守るためにできることをまとめよう

災害(さいがい)を体験(たいけん)して学びを深めよう

いつ起こるか分からない災害(さいがい)に対し、自分ごとにするためには、実際(じっさい)に体験(たいけん)してみることが大切です。

ここでは全国にある、体験しながら学べる、防災体験施設(ぼうさいたいけんしせつ)をしょうかいします。

札幌市民防災(さっぽろししみんぼうさい)センター(外部リンク)

地震(じしん)や消火、暴風(ぼうふう)コーナーなど、災害(さいがい)の種類(しゅるい)ごとの体験(たいけん)を通じて、防災(ぼうさい)の知識(ちしき)や災害(さいがい)が起きたときにどのような行動をとればよいか、学ぶことができます。

KIBOTCHA(キボッチャ)(外部リンク)

東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)で被災(ひさい)し、取りこわしが決まっていた小学校を修復利用(しゅうふくりよう)した防災体験施設(ぼうさいたいけんしえつ)。遊びながら防災(ぼうさい)を学べるアスレチックジムや、「防災(ぼうさい)キャンプ」といった実践(じっせん)プログラムも提供(ていきょう)しています。

東京消防庁(とうきょうしょうぼうちょう)都民防災教育(とみんぼうさいきょういく)センター 防災館(ぼうさいかん)(外部リンク)

地震(じしん)のゆれ体験(たいけん)、消火活動や、火災(かさい)のけむりからの避難(ひなん)の仕方など、楽しみながら防災(ぼうさい)に関(かん)する知識(ちしき)や技術(ぎじゅつ)が学べる施設(しせつ)。東京都内に池袋(いけぶくろ)、立川市、墨田(すみだ)区の3カ所にあり、それぞれでツアーも実施(じっし)しています。

そなエリア東京(外部リンク)

首都直下地震(しゅとちょっかじしん)を想定(そうてい)した、発生直後から避難(ひなん)するまでを実物大ジオラマで体験(たいけん)できる体験学習(たいけんがくしゅう)ツアーを提供(ていきょう)。防災(ぼうさい)に関(かん)する基本の備(そな)え、一人一人ができる備(そな)えが学べる学習コーナーもあります。

名古屋市港防災(なごやしみなとぼうさい)センター(外部リンク)

大きな地震(じしん)を体験(たいけん)できる地震体験室(じしんたいけんしつ)、南海トラフ巨大地震(きょだいじしん)を想定(そうてい)した津波(つなみ)の3D映像(スリーディーえいぞう)など、リアルな体験(たいけん)を通じ防災(ぼうさい)を学べます。

大阪市立阿倍野防災(おおさかしあべのしぼうさい)センター あべのタスカル(外部リンク)

「減災(げんさい)を学ぶ」「消化を学ぶ」「津波避難(つなみひなん)を学ぶ」といった、自分に必要(ひつよう)な知識(ちしき)や技術(ぎじゅつ)を選(えら)んで学べる体験型防災学習施設(たいけんがたぼうさいがくしゅうしせつ)。30分~120分のいろんなコースが用意されています。

福岡市民防災(ふくおかしみんぼうさい)センター(外部センター)

「VR防災体験(ブイアールぼうさいたいけん)」「避難体験(ひなんたいけん)」「消火訓練(しょうかくんれん)」「地震体験(じしんたいけん)・強風体験(きょうふうたいけん)」の4つのコーナーを続(つづ)けて体験(たいけん)できます。防災(ぼうさい)に関(かん)する知識(ちしき)や行動力を身につけることができます。

ここでしょうかいした施設(しせつ)のほかに、全国にはたくさんの防災体験施設(ぼうさいたいけんしせつ)があります。調べて足を運んでみましょう。

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