【現地レポート】被災地支援における重機の重要性

※日本財団は熊本県球磨村からの要請を受けて、重機作業を中心とするボランティア部隊を派遣しました。
本レポートは、ボランティアの一員として参加した当財団職員が執筆しました。


8月中旬の約2週間、球磨村に入り日本財団の重機ボランティア活動に携わりました。

日本財団はパワーショベル等の重機約10台を投入し、連携するNGOと共に、住民や村のニーズに基づいて被災した住宅内部や宅地の土砂撤去を行っています。

土石流が襲った住宅地では、巨大な岩石や水を吸って重くなった畳を含む大量の土砂が天井まで堆積しているケースが多くみられ、人力による撤去は困難な状況となっています。

行政は道路復旧等に重機を優先的に投入せざるを得ず、宅地の土砂撤去はほぼ手つかずの状況です。変わり果てたままの我が家を見るうち、帰還は難しいと判断する住民の方も多くいいます。重機の投入による迅速な土砂撤去と景観再生が求められています。

日本財団は重機ボランティアを通じてこの抜け落ちてしまったニーズに取り組んでいます。住宅内の土砂撤去には主に小型重機を用います。屋根や壁を傷付けないよう細心の注意を払いながら行う必要があります。有志の重機オペレーターの方々は、過去に数々の被災地で経験を積んだ熟練者がほとんどで、かつての村の輪郭が次々とよみがえります。

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住宅内土砂撤去に欠かせない小型重機
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人力では撤去が困難な車両等の牽引も可能だ

また、現地消防士向けに小型重機講習会も実施しており、滞在中も人吉・熊本市消防の方へ講習を実施しました。また過去の講習会に参加した縁で地元消防の有志も駆けつけてくれました。

人が戻ってこその復興。帰還という選択肢を住民の方に提供する一助となることを願って今後も活動を続けていきます。

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人吉・熊本市の消防士の方も駆け付けました。

日本財団 特定事業部 インクルージョン推進チーム 小池 徹