The Valuable 500との連携

写真

日本財団は創設から50年以上に渡り、国内外でさまざまな障害者事業を展開してきました。海外では東南アジア地域を中心に、教育支援に力を入れており、これまで3,000人を超える障害当事者リーダーを育成してきました。一方で、努力して大学に進学し、卒業しても、障害が理由で希望する仕事に就くことができない人や、就職しても障害がバリアとなり力が発揮できず、すぐに辞めてしまう人が数多くいる現状があります。そこで日本財団は、世界最大規模の企業ネットワーク組織The Valuable 500(V500)と連携し、ビジネスにおける障害者インクルージョンを後押しすることを決定しました。

V500は、2019年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した国際的な企業ネットワークです。ビジネスにおける障害者インクルージョンにコミットする最高経営責任者(CEO)500人の参加を募っており、日本からも40社を超える企業が参加しています。創設者は自身も視覚障害者であるアイルランド出身の社会起業家キャロライン・ケイシー氏。ユニリーバ前CEOのポール・ポルマン氏が会長を務めているほか、リチャード・ブランソン氏(ヴァージン・グループ会長)など、グローバルなビジネスリーダーがこの取り組みをサポートしています。

V500の障害者支援における取り組みは世界中の大企業を巻き込む初めての挑戦です。障害者雇用や障害のある消費者に向けた製品サービスの開発など、経済面を重視しており、これまでの障害者支援やインクルーシブな社会を目指した取り組みに、新しい風を吹き込むことが期待されます。日本財団はV500とともに、企業にとってビジネスに障害の視点を取り込むことが当たり前となり、障害が理由で諦めることのない社会の実現を目指していきます。