内航船舶向け「水素4ストローク高速エンジン」の実証実験において定格出力での運転に成功

日本財団は、2022年1月よりCO2排出ゼロの船舶を開発する「ゼロエミッション船プロジェクト」を推進しています。その一環で、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社が開発している、内航船舶向け「発電用パイロット着火式水素4ストローク高速エンジン」の陸上実証試験を進め、定格出力約500kWでの運転に成功しました。

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「パイロット着火式水素4ストローク高速エンジン(6気筒)」の試験ベンチ

今回実証したパイロット着火式水素エンジンは、少量のディーゼル油を点火源(パイロット燃料)として、水素燃料と空気の予混合気を燃焼させる方式になります。この運転により、本方式の水素エンジンとしては、世界最高レベルの水素燃料比率と約500kWの出力を、業界に先駆けて実現しました(ヤンマーパワーテクノロジー調べ)。

今後は、パイロット燃料としてバイオ燃料を用いることによるゼロエミッション化試験を引き続き実施する一方で、2026年の実証運航に向けて船級認証の取得を目指します。

水素エンジン搭載タンカーコンソーシアムについて

本コンソーシアムでは、水素エンジンの開発と同時に、水素エンジン発電機とバッテリーの組み合わせによる「水素エンジン対応のハイブリッド電気推進船」を開発中です。これは「水素燃料エンジン」と「水素燃料供給システム」を、コンテナユニット型の水素発電装置として上甲板部分に搭載することができる新たな船舶です。船舶の開発・建造は、上野グループの海運会社である上野トランステック株式会社が担当しています。

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パイロット着火式水素4ストローク高速エンジン」CGイメージ

本コンソーシアムにおけるヤンマーパワーテクノロジーの役割

ヤンマーパワーテクノロジーでは、水素インフラ普及までの船舶運航を考慮し、少量の着火用バイオ燃料と水素の混焼によりゼロエミッション化を図る「パイロット着火式」エンジンと、「火花点火式」による水素専焼エンジンを同型式で開発しています。2024年から本パイロット着火式の6気筒水素エンジンによる陸上実証試験を開始し、2026年の実証運航を計画しています。加えて、同型式の火花点火式水素専焼エンジンによる陸上実証試験を同時並行で進め、水素エンジン対応電気推進船舶の普及を図るべく、その先駆けとして2030年頃からの水素エネルギーを基にした内航船舶のゼロエミッション化に貢献していきます。

コンソーシアムメンバー(2024年9月時点)

  1. ヤンマーパワーテクノロジー株式会社(代表)
  2. 上野トランステック株式会社
  3. 国立大学法人京都大学
  4. 福岡造船株式会社
  5. 三井E&S造船株式会社
  6. 株式会社みらい造船
  7. 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所
  • 所掌:4.船舶の詳細設計・建造 5.船舶の基本計画・基本設計 6.水素エンジンコンテナの設計・製造 7.火花点火式水素専焼エンジンの技術開発
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水素燃料エンジン対応電気推進船イメージ
(※船体色につきましては、イメージです)

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事業に関するお問い合わせ

日本財団 ゼロエミッション船プロジェクト事務局

  • メールアドレス:Zeroemission2050@ps.nippon-foundation.or.jp