日本財団ジャーナル

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日本のインターネット・情報に関する社会課題

『インターネット・情報に関する社会課題』と題されたイラスト。スマートフォンから吹き出しが広がり、その中で偽ニュース(デマ)を流す人物、SNSでの誹謗中傷に悩む学生、投資詐欺を企む人物など、ネット社会における様々な問題が緑色の線画で描かれています。
デジタル技術の急速な進展は私たちの生活を劇的に便利にした一方、新たな歪みも生み出している

SNSを通じた人間関係のトラブル、児童を狙った卑劣な犯罪、情報の真偽を見極める力の差がもたらす社会の分断、さらには巧妙な詐欺による経済的被害など、デジタル技術の発展に伴い、ネットワークの先に潜むリスクはより深刻なものとなっています。

誰もが安全にデジタル社会の恩恵を享受し、正確な情報に基づいた意思決定ができる未来を築くために、日本のインターネット環境や情報リテラシーの現状を整理し、一人一人に求められる向き合い方について考えていきましょう。

目次

●SNS問題(いじめ・犯罪)

●情報リテラシーの格差、デジタル・デバイド(フェイクニュースを含む)

SNS問題(いじめ・犯罪)

SNS問題とは、主にSNSを通じて行われる誹謗中傷や、不適切な接触による児童への被害などを指します。

暗がりでスマートフォンを操作する両手のアップ。画面からは『いいね』を意味する親指のアイコンやハートのアイコンが、通知数を示す数字と共に次々と浮き上がっている様子が描かれています

文部科学省の令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(外部リンク/PDF)によると、小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は過去最多の76万9,022件に上りました。

SNSを利用した攻撃は24時間場所を問わず続く上に、周囲から見えにくく、大人が気づいたときには深刻化しているケースが少なくありません。

また、SNSに起因する犯罪の被害児童数は2025年で1,566人、小学生の被害児童は前年比で約2割も増加しています。被害を罪種別にみると不同意わいせつ・不同意性交が増加傾向にあるなど状況は深刻です。

『SNSに起因する事犯』の被害児童数の推移を示すグラフ。左側には2016年から2025年までの小学生、中学生、高校生別の積層棒グラフがあり、右側にはそのうち小学生の被害者数のみを抽出した棒グラフが表示されています。小学生の被害は2016年の43人から2025年には167人へと、右肩上がりに増加していることが示されています。
SNSに起因する犯罪被害者の小学生率が増加している。出典:警察庁「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況について」(外部リンク/PDF)

自分の裸を撮影させられる「自画撮り被害」や、言葉巧みに誘い出される「SNS誘拐」などの被害例が挙がっており、一瞬の操作が取り返しのつかない身体的・精神的被害に直結してしまう犯罪が横行しています。

こうした被害を防ぐために管理ツールによる利用制限と、ネットの特性を自分ごととして捉える情報モラル教育の両立が不可欠です。何より大切なのは、トラブル時にすぐ相談できる家庭環境を築くこと。

併せて社会全体でも、サイバーパトロールを通じて危機意識を高める場を提供していくことが求められます。

[SNS問題(いじめ・犯罪)をテーマにした記事]

インターネット社会に生きる若者たちの心理(別タブで開く)

SNSを利用した犯罪年間2,000件。子どもを守る方法を大学教授に聞く(別タブで開く)

深刻化する「SNSいじめ」から子どもたちを守るには?(別タブで開く)

情報リテラシーの格差、デジタル・デバイド(フェイクニュースを含む)

デジタル・デバイドとは、インターネットやICT機器を使いこなせる人とそうでない人の間に生じる経済的・社会的な格差を指します。近年は単なる機器の所有有無だけでなく、情報の真偽を正しく見極める「情報リテラシー」の差も大きな課題です。

SNS等のプラットフォームは利用者の関心を引いて収益を得る「アテンション・エコノミー」が加速しており、刺激的な偽・誤情報が拡散しやすい構造にあります。実際に令和6年能登半島地震の際には、SNS利用者の約42.7パーセントが真偽不明の情報に接触し、そのうち25.5パーセントが善意からこれらを拡散していました。

また、2025年のSNS型投資詐欺の認知件数は9,538件で、前年の同時期と比べると48.7パーセントも増加。被害額は約1,275億円に達しており、巧妙な偽広告による経済的実害も深刻です。

黒いフードを被り白い仮面をつけた人物が、暗い部屋でノートパソコンを操作している写真。サイバー犯罪や匿名性のあるインターネット上の脅威を象徴するイメージです。
悪意を持って発せられる情報に踊らされてはいけない

特に日本では、検索結果やSNSの表示が自分向けに最適化(パーソナライズ)されているということを知っている人の割合が50パーセント未満にとどまり、諸外国に比べ情報の偏りに対する自覚が低い傾向にあります。

誰もが「自分が見ている情報は偏っているかもしれない」という意識を持ち、世代を問わず自律的にデジタル社会と関わる力を養うことが、民主主義を守る第一歩となるでしょう。

[情報リテラシーの格差、デジタル・デバイド(フェイクニュースを含む)をテーマにした記事]

フェイクニュースを見抜く力を! ゲーム形式で学べる「レイのブログ」(別タブで開く)

ウイルスと共に忍び寄るデマやフェイクニュース。不確かな情報に惑わされないために、必要な行動とは(別タブで開く)

[参考資料]

警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」(外部リンク/PDF)

政府広報オンライン「自画撮り被害が増加!SNS上の出会いに要注意‼︎」(外部リンク)

警察庁生活安全局人身安全・少年課「インターネット利用に係る子供の犯罪被害等の防止について」(外部リンク/PDF)

総務省「平成23年版 情報通信白書|第2節デジタル・ディバイドの解消」(外部リンク/PDF)

総務省「令和5年版 情報通信白書|第3節:インターネット上での偽・誤情報の拡散等」(外部リンク/PDF)

総務省「令和6年版 情報白書|第Ⅰ部 特集① 令和6年能登半島地震における情報通信の状況」(外部リンク)

警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」 (外部リンク)

総務省「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究の請負成果報告書」(外部リンク/PDF)

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