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経営企画広報部 ソーシャルイノベーション推進チーム

溝谷美音

2023年に日本財団入会後、経営企画広報部 ソーシャルイノベーションチームに配属。日本財団高等教育プロジェクトを担当し、2025年開学のオンライン大学「ZEN大学」の設立および事業管理に携わる。奨学金制度の運用や地域・企業連携、国内外の体験型プログラムの提供によって、学生が社会と接点を持ちながら学べる仕組みづくりを担っている。

Voice

教育格差の解消を目指す、新しい大学の形

— 担当するプロジェクトは?

高等教育分野のプロジェクトを担当しています。主には、2025年に開学したオンライン大学「ZEN大学」の設立および管理運営に携わっています。

ZEN大学では、教育格差の解消を大きな目的としており、奨学金制度の運用や、地域・企業と連携したプログラム、国内外での体験型プログラムの企画・実施を行っています。学生が学ぶことにとどまらず、社会とつながりながら学びを深めていける環境を整えることが、私の主な役割です。

以前は、ウクライナからの避難民の受け入れ支援を行うプロジェクトを担当していました。来日した避難民一人ひとりへの生活給付に加え、避難民支援に取り組む団体へのご支援も行い、日本で自立した生活を送れるよう支える取り組みを継続してきました。こうした支援は、緊急対応にとどまらず、中長期的な視点での生活再建を見据えたものとして、2022年から約4年間にわたり実施してきました。

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教育格差の解消を目指し、ZEN大学のプロジェクトを担当する溝谷さん

社会と直接かかわる機会を、学生に届ける

ZEN大学とは? 日本財団の役割とは

ZEN大学は、最先端のIT技術を活用し、居住地や経済的な事情などによって進学を諦めてしまう人にも、大学進学の機会を届けることを目指して、株式会社ドワンゴと日本財団が2025年に共同で設立したオンライン大学です。4年間の学びをすべてオンラインで完結できる仕組みを備えています。

日本財団は、ZEN大学において主に、学びを社会につなげる役割を担っています。具体的には、地域・企業連携プログラムや留学プログラム、社会課題をテーマにした「ソーシャルイノベーション概論」といった講義の提供に加え、300名を超える学生を対象とした返済不要型の奨学金制度を支援しています。

ZEN大学の地域・企業連携プログラムとは

オンライン大学ですが、だからこそ「リアルな体験」を重視しています。その一環として、地域・企業連携プログラムや海外でのフィールドワーク研修、留学プログラムなどを展開しており、現在はおよそ100近いプログラムを提供しています。

海外のNPO団体と連携した体験型プログラムも展開しており、マレーシアのNPOと協力した植林活動プロジェクトなどを実施しています。国内外での体験を通じて、学生が社会と直接関わる機会をつくることを大切にしています。実際の現場に触れることで、学生が多様な価値観や現実を知り、社会に出ていくための土台を築いていけることに、大きな意義を感じています。

地域・企業連携プログラムには、2025年4月の開校からこれまでに3,000人近い学生が参加しており、海外プログラムにも100名を超える学生が参加しています。地理的・経済的な困難を抱える学生に質の高い教育を届けると同時に、実際に社会と接点を持つ経験をしてもらうことが、ZEN大学の大きな特長だと考えています。

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ZEN大学インドネシア フィールドワーク研修(日本財団による奨励金付き短期プログラム)

制度を変えるだけでなく、人生に向き合う

仕事において大切にしていることは

私は大学時代からNPO活動に関わってきたこともあり、社会課題の解決を自分のライフワークにしたいと考えてきました。その根底には、子どもたちが「これからの社会は、もっと良くなっていく」と希望を持てる社会をつくりたいという思いがあります。

ZEN大学での取り組みや、これまで携わってきたウクライナ避難民支援を通じて、困難な状況にある方々に機会を届けることの重要性を強く感じてきました。「未来を諦めなくてよい社会」を実現したいという思いは、ずっと自分の中にあり、大切にしている信念の一つです。

また、想像力を持つことも非常に大切にしています。社会課題を解決するということは、制度や仕組みを変えるだけでなく、人の人生に向き合うことだと思っています。その背景には、それぞれ異なる生活や思いがあります。そうした一人ひとりの状況を想像しながら事業に取り組むことを、常に心がけています。

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ZEN大学特待奨学生インタビュー(写真左:溝谷)

人の可能性を広げる仕事だと実感した瞬間

日本財団の仕事のやりがいは

日本財団は、社会課題の解決に取り組む人や団体を支援できる組織だと感じています。学生や避難民の方々だけでなく、学校設立に挑戦する方々や、避難民支援に取り組むNPOの皆さんを支える立場として関われることに、大きなやりがいがあります。
そうした大人の姿を通じて、子どもたちが「こんな大人もいるのだ」と感じ、その思いが次の世代、さらにその先の世代へとつながっていくことを願っています。私が担当する事業の中で、多様な体験の機会を提供することが、子どもたちが自分の夢や可能性に気づくきっかけになればと思っています。

特に印象に残っているのは、ZEN大学の海外フィールドワークに同行した際、ある学生が「人生が変わる体験でした」と話してくれたことです。この仕事が人の可能性を広げるものなのだと、強く実感した瞬間でした。

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ZEN大学マレーシア フィールドワーク研修(日本財団による奨励金付き短期プログラム)

今後の目標はありますか

夢を諦めてしまった方や、日本での生活に困難を抱える方、十分な機会を得られていない方々に、もう一度チャンスを届けられるプロジェクトを、自分自身の手で生み出していきたいと考えています。

ZEN大学の学生からは、「奨学金がなければ進学できなかった」という声も多く聞いてきました。そうした一人ひとりの声に寄り添いながら、「誰もが諦めなくてよい社会」の実現に貢献していきたいと思っています。

また、社会課題解決の担い手を増やしていくことも大きな目標です。現地の子どもたちに本当の意味で希望を与えられるのは、生活や未来を変える覚悟を持って行動する現地の大人たちだと感じています。そうした方々を支えながら、社会課題に関心を持ち、将来その担い手となる人を増やしていきたいと考えています。

子どもたちに届けたい未来

未来はきっと良くなると、信じられる社会を。

自身の仕事・プロジェクトを通じて子どもたちにどんな未来を届けたいですか

「どんな状況にあっても学びや挑戦を諦めなくていい社会」を届けたいです。経済的・地理的な困難や社会の分断によって可能性が閉ざされるのではなく、一人ひとりが自分の意思で将来への道を選び取れる環境を広げていきたいと思っています。また、社会をより良くしようと本気で取り組む大人がいることを感じてもらい、「未来はきっと良くなる」と信じられる希望を手渡したいです。その積み重ねが、次の世代へと続く力になると信じています。

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どんな状況にあっても学びや挑戦を諦めなくていい社会を整えたいと語る溝谷さん

職員の想い

  • 海の未来とロマンを、 次世代へ引き継ぐ

    海洋環境チーム 中廣遊

    ロンドンを拠点に海の未知に迫る探査事業や人材育成に取り組む中廣遊。子どもたちが海と出会い、豊かな海を次世代へ引き継ぐきっかけを届けたいという想いを語ります。

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  • 地域に根づく支援を、 ミャンマーの子どもたちへ

    国際協力チーム 栗林フランツ健

    ミャンマー駐在事務所を拠点に、紛争や貧困の影響を受ける子どもたちのため地域参加型の学校建設を支援する栗林フランツ健。支援が10年、20年先も根づく仕組みを大切にする想いを語ります。

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  • 子どもが傷つく前に、 支える社会の仕組みをつくる

    子ども支援チーム 田中奈名子

    妊娠SOS事業や性教育、こども基本法プロジェクトを通じ、子どもの権利が尊重される社会づくりに取り組む田中奈名子。傷つく前に支援が届く仕組みで、すべての子どもの最善の利益を守りたいという想いを語ります。

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  • 災害支援の構造転換を起こし、 エコシステムを構築する

    災害対策事業チーム 江村拓哉

    被災者が集い支え合う「憩いの場」づくりに取り組む江村拓哉。孤立を防ぎ復興の希望を灯し、災害支援を善意任せにしないエコシステムづくりについて語ります。

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  • 障害や環境に関わらず、 夢へ踏み出せる社会へ

    障害インクルージョンチーム 川俣郁美

    東南アジア地域で、バイリンガルろう教育が学べる環境づくりに取り組む川俣郁美。現地の声に寄り添い、人材育成や教材開発を通じて学びの選択肢を地域に根づかせる思いを語ります。

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  • すべての学生が 未来を諦めなくていい社会へ

    ソーシャルイノベーション推進チーム 溝谷美音

    ZEN大学の設立・運営を担う溝谷美音。地理や経済の壁を越えて質の高い教育を届け、社会とつながる学びで学生の未来を広げたいという思いを語ります。

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