日本財団ジャーナル

未来のために何ができる?が見つかるメディア

「“楽しいからやりたい”で大丈夫」。31歳ライターが、⽇本財団ボランティアセンターの「ぼ活!」でボランティア体験をして思ったこと

ごみ拾いイベントでお相撲さんと立合い!?
この記事のPOINT!
  • ボランティアに参加してみたい人は⽇本最⼤級のボランティアプラットフォーム「ぼ活!」をチェック
  • 「ボランティアって楽しい」と感じる人が増えれば、さらにボランティアの輪が広がっていく
  • ボランティアは人生における楽しみの1つでもあり、さらなるコミュニティーを育むものでもある

取材:神田匠

海岸

こんにちは! ライターの神田(こうだ)です。私はいま、神奈川県江の島の片瀬東浜海水浴場に来ています。降りそそぐ太陽の光、白い砂浜、青い海と季節は夏真っ盛りです。

早朝の日差しのまぶしさで目が開かなくなった筆者

と、いっても海へ遊びに来たわけではなく、今回はビーチのごみ拾いボランティアに来ています。日本財団ジャーナル編集部から「⽇本財団ボランティアセンターの『ぼ活!(外部リンク)』からボランティアに参加してみませんか?」とお誘いを受けたからです。

⽇本財団ボランティアセンターが運営する「ぼ活!」からボランティアに参加!

ぼ活!のトップページ

「ぼ活!」は、⽇本財団ボランティアセンターが運営する⽇本最⼤級のボランティアプラットフォーム。2021年に立ち上がり、無料利用登録者は現在6万人を超えています。

スポーツ大会から災害支援まで幅広い募集があり、これまでにも東京2025世界陸上など、大型イベントのボランティア募集がありました。

「ぼ活!」公式サイトでは自分の興味関心、地域に合わせてボランティアを検索することができます。募集要項や条件を確認したら、あとはログインして応募するだけ。

ボランティアに初めて参加する人でも、初心者向けセミナーや識者を招いての各種イベントも開催されているので安心です。

「ぼ活!」のボランティア募集ページ

「ぼ活!」の募集ページを見て、こんなに多種多様なボランティア活動があるんだと驚きました。私が最後にボランティアに参加したのは小学生のときのごみ拾いボランティア以来です。それももう20年以上前のこと。大人になってからは全く参加しなくなりました。

ボランティアをしたくなかったわけではありません。何か社会にも自分にもいいことをしたな、というボランティアの清々しい経験は今も記憶に残っています。

ただ、きっかけがなかったんですよね。どこでどんな活動を募集しているのか、どこに申し込めばいいのかも分からないし……。あと、意識高い人に怒られたら怖いし……。でも、「ぼ活!」なら気軽に参加できそう!

「サザエさんとどすこいビーチクリーン2026」の告知画像
画像提供:海さくら

というわけで今回私が「ぼ活!」から参加したイベントは「サザエさんとどすこいビーチクリーン2026」(外部リンク)。

「目指せ!日本一楽しいごみ拾い!」を合言葉に掲げるNPO法人海さくら(外部リンク)が2015年から開催しているユニークなごみ拾いイベントです。

選んだ理由は、“ごみ拾い × サザエさん×お相撲さん”という組み合わせが強烈だったからです。組み合わせるにしても普通どっちか片方だけじゃない? かけそばにカツ丼とカレーライスがセットで付いてきたみたいな豪華さ!

名前に惹かれた今回のボランティア。ここからは「サザエさんとどすこいビーチクリーン2026」の参加レポートをお届けします。

超豪華!「サザエさんとどすこいビーチクリーン2026」レポート

海岸に集まる参加者
ボランティアの受付も「ぼ活!」参加者

当日は朝10時から開会式が執り行われました。集まった人数はなんと約800人! 小中学生から高齢の方まで、幅広い年齢層の方が集まっていました。地元から訪れた人や関東近郊から集まった人など、地域を問わず応募が寄せられたそうです。

正直、こんなに人がいっぱいいるとは驚きました。私が小さい頃に参加したボランティアはせいぜい20人くらい。早朝から江の島に800人も集まるってすごいですよ。ボランティアってこんなに賑わうものなんだと認識を改めました。

相撲部屋の力士たちを紹介する古澤さん

そして海さくら代表の古澤 純一郎(ふるさわ・じゅんいちろう)さんから開会に向けてのあいさつがありました。隣にいるのは手話通訳者の方。後ろに並ぶのは⼤鵬道場⼤嶽部屋(おおたけべや) の力士の皆さんです。みんなデカくて迫力がすごい!

挨拶をする⻑⾕川町⼦美術館館長とサザエさんとマスオさん

そして、⻑⾕川町⼦美術館の川口淳二(かわぐち・じゅんじ)館⻑からもあいさつが。隣には『サザエさん』のマスオさんとサザエさんが! 2人も力士に負けず劣らずデカい!

ちなみにアニメ『サザエさん』では2022年4月に片瀬東浜海水浴場とコラボし、一家が「どすこいビーチクリーン」をする様子がオープニングになっていたそうです。そんなゆかりがあったんですね。

そして写真撮影ののち、熱中症対策など諸注意が呼びかけられてごみ拾いがスタートしました。

ごみを探すライター

800人の精鋭が集まっているからか、思ったよりごみは見つかりません。もちろん、砂浜がきれいなのはいいことなのですが、ごみ拾いに来たからには1つくらいは大物を見つけたいものです。

ごみを探すサザエさんとマスオさん

そんな私を尻目にマスオさんとサザエさんはどんどんごみを見つけていきます。なんか焦る! 砂をトングでかき分けながらごみを探していきます。そうするとトングの先にコツンと硬い感触が!

トングでつまんだガラスの破片

大きめのガラスの破片です。これは危ない! 

持ち込んだビンが割れてしまったものでしょうか。削られて丸くなっている状態ですが、もしそうでなければ大けがにつながるおそれがあります。みんなが裸足で歩くことができる砂浜を維持するためにも、こうしたごみは取り残さないようにしたいなと思いました。

割れたイヤホン

続けてワイヤレスイヤホンの片方を見つけました。落とした人、焦ってただろうな〜〜〜。でも、ごみには違いありません。尖った部分もありますし裸足で踏んだらと思うと怖い。環境にも影響を与える金属・プラスチックごみです。

ザルにいれたごみ

細かいごみはザルを使ってかき集めていきます。小さなビニール片、花火のごみ、結束バンドの切れ端などたくさんのごみが見つかりました。

どれも海に流出してしまうと劣化・崩壊してマイクロプラスチックとなり、深刻な環境汚染を引き起こしてしまいます。ペットボトルや大きなごみはもちろんですが、ビーチクリーンではこうした小さなプラスチックごみを見つけて処理することが大切なのではと感じました。

ごみを分別中

そして、見つけたごみを回収受付で分別して処分します。参加者はそれぞれたくさんのごみを集めていて、彼らの表情は達成感にあふれていました。私もザルいっぱいのごみを集めることができて、「何かいいことができた」とホクホクした気持ちになりました。

開脚をする力士

その後は力士の皆さんによる相撲健康体操が行われました。あんなに体が大きくて重量感があるのに、股関節が180度広がるなんてすごい。

開脚をするライター

日々、室内でデスクワークをしている筆者の柔軟性は最悪。お相撲さんってすごい。

子どもと立会う力士

そしてその後はお相撲さんとの取組の体験コーナーが開催されました。砂浜に土俵を作り、大人も子どももハッケヨイです。

お相撲さんと取組ができるなんて人生に一度あるかないか。このチャンスを逃すわけにはいかない!

ライターと力士が対決

というわけで⼤嶽部屋(おおたけべや)の研修生、ミャンガンバヤルさんと立合わせていただきました。マスオさんが行司を務めてくれるという幸運。

私は高校時代、ラグビー部でU18中国地方選抜選手にも選ばれた経験があり、フィジカルには自信があります。もしかしたら勝てちゃうかも……?

倒されるライター

そんなスケベ心をへし折るほどの気持ちの良い負けっぷりでした。相撲では勝負に負けることを「土がつく」と言いますが、それを体現するほどもう全身砂まみれ。決まり手は引き落としでした。手加減してもらっても素人が勝てるわけがない。

起き上がるライター

負けたけど気持ちは晴れやか。私もギャラリーもみんな笑顔! 貴重な経験をさせてもらいました。ミャンガンバヤルさん、あなたが将来横綱になったら自慢させてください。

サザエさんとマスオさんに挟まれるライター
さしずめ私がタラちゃんという並び

ごみ拾いに来たのに、サザエさんとマスオさんにも会えて、お相撲さんと取組ができて、こんなに楽しい時間が過ごせるとは思いませんでした。なんとなくごみ拾いには社会奉仕的なちょっと固いイメージがあったので、ここまでエンタメ色が強いとは驚きました。

いったいどうしてこのようなごみ拾い企画を始めたのでしょう。イベントを運営している海さくら代表の古澤さんにお話を伺いました。

「ボランティア人口を増やすためには?」海さくら代表の古澤さんにインタビュー

古澤さんへインタビュー中

神田:サザエさんやお相撲さんとも交流できて、すごく楽しかったです。どうしてこのようなごみ拾いイベントを開催しているのでしょう。

古澤:海さくらは「目指せ! 日本一楽しいごみ拾い!」を合言葉に江の島の海をきれいにする活動を続けています。ただ言われたからごみ拾いをするのではなく、「楽しいからやりたい」という気持ちが広がっていくとすごく大きなパワーになると思うんです。だから、エンタメ色を強めたごみ拾いイベントを20年以上続けています。

神田:今回のイベントを振り返ってみていかがでしたか。

古澤:大人も子どもも、普段お相撲さんやサザエさんと触れ合うことってないと思うんです。だから、皆さんがそうしたわくわくドキドキした気持ちになってくれたのはすごくうれしいことだなと思いました。

神田:今後、ボランティア人口を増やすためにはどのようなことが大切だと思いますか。

古澤:社会を良くしようという入り口よりも、自分たちがやりたくなるようなきっかけづくりが大切なのではないでしょうか。ボランティアは金銭などの見返りではなく、自分の意思や思いやりの気持ちで参加するものです。だから、「ボランティアって楽しい」と感じてくれる人を増やすことができれば、もっとボランティアの輪が広がっていくんじゃないかなと思います。

「ぼ活!」広報の倉田伸也さんインタビュー

倉田さんへインタビュー中

続いて、日本財団ボランティアセンターで「ぼ活!」の広報を務める倉田伸也(くらた・しんや)さんにもお話しを伺いました。

神田:こんなにカジュアルにボランティアに応募できるプラットフォームがあるとは驚きました。「ぼ活!」はどのようにして立ち上がったのでしょうか。

倉田:2021年秋、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の閉幕後に、大会で活動したボランティアの皆さんに、大会後もボランティアに携わってもらいたいと考えて立ち上げました。「ふくらめ、ふくらめ、可能性。」というコンセプトのもと、多様な人との出会いや、社会課題解決への参加など、ボランティアを通じてさまざまな気づきや学びに触れ、自らの可能性を広げるとともに、なによりもボランティアを楽しんでほしいと考えています。

神田:「楽しい」という気持ちでボランティアに参加していいんだとハッとしました。ボランティアって何だか、社会のために粛々とやるものだとばかり思っていたので……。

倉田:ボランティアを楽しむことはとても大事です。古澤さんも話されていましたが、個人が参加して「楽しい」と感じてくれることがボランティアの輪が広がる第一歩だと思います。「気になるから観光ついでにボランティアしていくか」くらいの気持ちで気軽に参加してもらえるとうれしいですね。

神田:これから「ぼ活!」でボランティアに参加したいという人に知っておいてほしいことはありますか。

倉田:「あまりボランティアを難しく考えなくてもいいよ」とは伝えたいですね。「ぼ活!」のウェブサイトでは、専門家によるレクチャーや活動時に役立つ知識をお伝えするセミナーを提供しています。スポーツや災害支援、国際協力や環境保護など、多様な分野があるので、自分の興味に合う活動を見つけて、初心者の方も気軽に参加してほしいですね。

編集後記

参加者の集合写真

今回は、⽇本財団ボランティアセンターが運営する「ぼ活!」でボランティア体験をしました。

「海を良くするぞ!」という確固たる気持ちがない状態で参加して大丈夫なのか、なんか意識の高い人に怒られたらイヤだなといった正直不安な気持ちもありました。それゆえ「自分が楽しむことが大事」という古澤さんや倉田さんの言葉は私のようなボランティア初心者にとっては目からウロコでした。自分が楽しいからやる、と考え方が変わったことで、今後も積極的にボランティアに参加できるかもと気持ちが楽になりました。

また、他のボランティア参加者にも、なぜボランティアとして参加しているのかを尋ねてみました。その方はボランティアに参加して友だちや仲間ができたと話してくれ、「ボランティアに来て誰かと話すのが楽しみになっている」と動機について語ってくれました。ボランティアが職場や家以外のサードプレイスとしても機能し得るものであるという点には思わず膝を打ちました。

ボランティアは人生における楽しみの一つでもあり、さらなるコミュニティーを育むものでもあると新たな気づきを得ることができました。「ぼ活!」では地域やジャンルなどさまざまなボランティアの募集を行っているので、気になった方はぜひ気軽にチャレンジしてみてください!

神田さんによるボランティア体験動画も公開中

「ぼ活!」公式サイト(外部リンク)

  • ※ 掲載情報は記事作成当時のものとなります。
SNSシェア