2019年度アニュアルレポート

2019年度に実施した事業から抜粋してご紹介します。

難病の子どもと家族を支えるプログラム

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移動式プラネタリウムの中で星空を眺める子ども達

医療技術の進歩によって救える命が増える一方で、一命を取り留めたものの、重い障害が残ったり、人工呼吸器などの医療的ケアを必要としたり、難病を抱えて暮らす子どもが増えています。
常に生命の危険と隣合わせの難病の子どもの看護に24時間追われる親は、十分な睡眠をとれず、自身のキャリアを諦めるなど、社会からの「孤立」を感じています。きょうだいも寂しい思いをしています。
こうした難病の子どもと家族を、地域の医療・福祉・教育専門職らが連携して支える「日本財団地域連携ハブ拠点」の建設を進めており、2019年度は鳥取に1拠点、沖縄に2拠点が開所、さらに5拠点を全国で建設中です。

「第三の居場所」事業

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本や遊び場がある、子どもたちにとって居心地のよい「第三の居場所」

家庭の様々な事情が子どもに負の影響を及ぼし、貧困が連鎖してしまっていること、そして見えづらいからこそ今まで放置されてきました。
日本財団の子どもの貧困対策では、この問題の解決策を見出すべく、ひとり親家庭や困窮世帯の子どもたちが安心して過ごし、自立する力を身につけていくための「第三の居場所」をモデル拠点として全国に設置しており、2019年3月末時点で30拠点あります。

ハッピーゆりかごプロジェクト

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養子の日で当事者が登壇するトークイベントの様子

虐待や実親の疾患など、さまざまな事情で生みの親と暮らせない子どもは全国で45,000人いると言われています。日本では、そのような「社会的養護」の子どもたちの8割は乳児院や児童養護施設などの施設で生活をしています。しかし、2016年の児童福祉法改正で子どもを家庭で育てることが優先となり、特別養子縁組や里親制度などの取り組みに力を入れていくことになりました。

災害復興支援

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泥出しを行う高校生ボランティア(長野県長野市)

2019年は8月の九州北部豪雨、9月の令和元年房総半島台風、10月の令和元年東日本台風など、豪雨や度重なる台風襲来による土砂災害・洪水災害などの災害が各地で多発し、日本各地に甚大な被害をもたらしました。日本財団では、被災地に迅速な支援を行うための様々な活動を実施しました。

日本財団はたらく障害者サポートプロジェクト

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就労支援フォーラムNIPPON2019の模様

全国の福祉就労事業所で働く25万人の障害者が手にする対価はその多くが月額16,000円あまりという低水準が長く続いています。少しずつ伸びてきた一般就労もその定着率は1年以内で半分程度という状況の他、雇用率に巣食う貧困ビジネス系の横行など、取り組むべき課題は少なくありません。そして、障害者の経済的未自立は、世帯単位での貧困を誘発し、社会保障費を膨張させる大きな社会的課題でもあります。

True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭

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True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭

多様な“ちがい”を楽しむ場をつくるパフォーミングアーツは作り手と観客とが反応し合い、体験を共有する場。その場を、障害、性、世代、国籍、言語など多様なちがいのある人と共につくり発信することで、まぜこぜな社会の可能性を体感してもらうことがフェスティバルの目的です。

海と日本プロジェクト

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全国一斉清掃キャンペーン・海ごみゼロウィーク(神奈川県藤沢市)

2015年から実施している“海と日本プロジェクト”は若い人たちの海に対する関心を高め、幼少期から大学生に至るまでの幅広い層に様々な形で働きかけをおこなっています。
全国で1,500以上のイベントを実施、年間で延べ200万人もの人が参加し、プロジェクトに参加・賛同する全ての人が、海のことを主体的に考え、行動を起こせるように、“海を学ぶ”や“海を表現する”などの5つのアクションに沿った企画を、自治体やテレビ局、民間団体などの多様な関係者が連携して行っています。

ハンセン病制圧活動

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安倍首相、国際パラリンピック委員会と差別撤廃を訴えた

設立直後の1960年代から世界のハンセン病支援活動を行っています。医療面の支援に加え、差別撤廃や当事者の地位向上のための活動に力を入れてきました。日本財団は引き続き、各国政府や世界のハンセン病支援組織とより連携しながら、ハンセン病と差別のない世界に向けた活動を続けていきます。

ミャンマー支援プログラム

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ミャンマー難民キャンプで高等教育を施すKnNCの授業風景

2018年よりKarenni National College(KnNC)の若者が適切な環境下で教育を受け、良き教員としてキャンプ内に安定的に排出されるよう、設備(校舎修繕・教材及び機材の購入・維持管理等)を整えたり、KnNCで働く人々の人件費、図書館の整備、学生向けの各種研修費などの運営支援を行っています。

図書寄贈事業

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寄贈図書を受け取るアルゼンチン大使館担当者(左)

海外のオピニオン・リーダーや知識層、学生の日本の実情理解促進を目的に、日本に関する英文図書を100冊厳選し、海外の団体に寄贈する事業を実施しています。

遺贈寄付

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遺贈寄付で途上国の子どもたちへ笑顔を届ける

遺贈寄付とは、遺贈によって自分の遺産を寄付することです。
本当に遺したかったのはお金ではなく、いい社会でした。
そんな思いをお持ちの方に、あなたの意志・意向を最大限尊重し、未来の社会のために役立てるお手伝いをいたします。

HEROs ~Sportsmanship for the future~

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台風19号の被災地である栃木県鹿沼市の方々とスリートたち

HEROsは、トップアスリートが先頭に立って社会貢献活動を行うことで、社会課題への関心を高め、行動を生み出すことを目指して活動しています。2019年度も、被災地支援、いじめ防止活動、少年院への訪問、病気や障害のある子どもたちとの交流など若者への支援を中心に幅広い活動を実施しました。

2019年度アニュアルレポート完全版

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