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日本の医療・健康・福祉に関する社会課題

高齢化、人口減少などの影響でさまざまな課題が発生している

[労働力不足をテーマにした記事]

誰もが健やかに、そして自分らしく最期まで生きるためには、どのような壁があり、私たちは何を変えていくべきなのでしょうか。まずは、日本の医療や福祉が直面している社会課題について知るところから始めましょう。

目次

●社会保障費(社会保障給付費)の増大・医療制度の維持

●労働力不足

●終末期医療

●独居高齢者の増加

●子育ての孤立(孤育て)

●ひとり親世帯の貧困

社会保障費(社会保障給付費)の増大・医療制度の維持

社会保障制度とは、病気や高齢などの不安をみんなで支え合う仕組みです。日本では社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生の4つの柱を税金や保険料で支え、人々の生活を守っています。

しかし、少子高齢化で現役世代が減り、制度の維持が難しくなってきました。

所得に対する社会保障費の割合の推移』を示す折れ線グラフ。1975年度の9.53%から上昇し続け、2022年度には33.70%に達している状況を示しています。
Cap:所得に対して、社会保障費(社会保障給付費)がどの程度の割合を占めているかを示す「対国民所得比」は、1975年度には約9.5パーセントだったが、2022年度には33.7パーセントに増えた。引用:内閣府 「令和7年版高齢社会白書(全体版)|高齢化の社会保障給付費に対する影響」(外部リンク)

内閣府の「令和7年版高齢社会白書」(外部リンク/PDF)によると、2024年の高齢化率は29.3パーセントに達しています。財務省の広報誌「ファイナンス 2024年4月号」(外部リンク)でも、同年の社会保障関係費は約37.7兆円と過去最高を更新したと伝えています。

医療現場の人手不足も深刻で、将来十分なサポートを受けられない可能性もあり、今後は効率的な予算利用や予防医療を進め、若い世代も自分ごととして支え合いの形を考える姿勢が大切です。

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労働力不足

労働人不足とは、仕事を担う人手が足りず、社会の支えが不十分になる状態です。

日本を支える生産年齢人口(15歳から64歳の人口)は、1995年をピークに減り続けています。

15〜64歳人口の推移と将来推計』を示す棒グラフ。1995年頃をピークに減少に転じ、2025年以降の将来推計値でも減少が加速する予測を示しています
生産年齢人口(15〜64歳)の推移。1995年をピークに減少している。引用:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」(外部リンク/PDF)

また、2025年の「中小企業白書」(外部リンク)によると、中小企業の約52.7パーセントで後継者が決まっておらず、優れた技術やサービスが途絶える危機に直面しています。

中小企業における後継者不在率の推移』を示す棒グラフ。2011年の66.2%から2024年の52.7%まで、緩やかな減少傾向にあることを示しています
中小企業の後継者不在率は、2024年時点で52.7パーセント。約半数の企業で後継者が不在となっている。引用:中小企業庁「中小企業白書 2025年版」(外部リンク/PDF)

その他、高齢化に伴う介護ニーズの増大に反して職員は不足しており、医療・福祉の提供体制における人材確保は今すぐに考えるべき課題です。特に地方においては、若年層の流出や採用市場の競争激化により、その傾向は顕著になっています。

今後はロボットの活用や働き方の工夫に加え、地域全体で支え合う新しい仕組みづくりが求められています。

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終末期医療

終末期医療とは、病気の回復が難しくなった際に痛みや苦しみを和らげ、最期まで穏やかに過ごせるように支える医療です。

介護や看取りを連想させる手元のアップ写真

かつては自宅で家族に囲まれて亡くなるのが一般的でしたが、現在は多くの方が病院で最期を迎えています。

約59パーセントの人が自宅での最期を希望しているのに対し、実際に自宅で最期を迎えられる人は17パーセント、病院が67.4パーセントというのが現状です。背景には、家族による介護の負担や一人暮らしの増加といった課題があります。

今後は病院や自宅以外の選択肢として、安心して過ごせるホームホスピスの拡充が必要です。本人の意思を尊重し、地域全体で寄り添う仕組みを整える姿勢が求められています。

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独居高齢者の増加

独居高齢者とは、一人で暮らす65歳以上の人のことです。

近年、高齢者の増加に加え、未婚率の上昇といった家族形態の変化によって、独居高齢者が急増しています。内閣府の「令和7年版 高齢社会白書」(外部リンク/PDF)によると、2020年には約672万人が独居高齢者となっています。

『65歳以上の一人暮らしの者の動向』を示す男女別の積み上げ棒グラフ。1980年から2020年までの実績値と2050年までの推計値が含まれ、右肩上がりに増加する予測を示しています
2020年の独居高齢者は男性が約231万人、女性が441万人。2050年には男女合わせて約1,084万人との推計が出ている。引用:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」(外部リンク/PDF)

一人での生活は、認知症の進行に気づきにくかったり、詐欺や押し入りなどの犯罪に狙われやすかったりと、多くのリスクを抱えています。社会からの孤立が原因で生活意欲が低下し、孤独死を招く事態も深刻な問題です。

今後は、高齢者向けのシェアハウスや多世代型住宅など、人とのつながりを感じられる住まいの形を広める工夫が求められています。

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子育ての孤立(孤育て)

子育ての孤立(孤育て)とは、周囲の助けが得られず、主に母親親が一人で育児の不安や負担を抱え込む状態です。

育児をする人の約4割が育児において孤立感を感じたと回答しており、子育ては非常に孤独に陥りやすい環境といえます。

背景には核家族が進み、身近な親族に頼るのが難しいということ、パートナーの育児休暇の取得が進まない状況や、地域とのつながりが薄くなったなどが挙げられます。

今後は多世代が交流できる場を整え、地域全体で親を支える仕組みを作っていく姿勢が大切です。

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ひとり親世帯の貧困

ひとり親世帯の貧困とは、父か母のどちらかとその子どもが暮らす世帯において、生活に必要なお金が十分にない状態を指します。

子ども家庭庁の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」(外部リンク/PDF)によると、日本国民全体の相対的貧困率が15.4パーセントなのに対して、ひとり親世帯は44.5パーセント。

その背景には、非正規雇用で働く親が多く収入が不安定になりやすい点や、子育てとの両立により働く時間が限られるといった複数の壁があります。

今後は行政による支援の充実や養育費を確実に受け取れる仕組みを整え、親子が安心して将来を描ける環境作りが大切です。

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[参考資料]

厚生労働省「社会保障とは何か」(外部リンク)

内閣府 「令和7年版 高齢社会白書(全文)(PDF版)」(外部リンク)

財務省「ファイナンス 2024年4月号 No.701」(外部リンク)

中小企業庁「中小企業白書 2025年版」(外部リンク/PDF)

日本財団「人生の最期の迎え方に関する全国調査(2021年)」(別タブで開く)

日本財団「子育て実態調査」(外部リンク/PDF)

こども家庭庁「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」(外部リンク/PDF)

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